こんな場所でお前に恋をした。３【キミガシネ】

１１０話「最後の議題」 ページ11

ケ「みんな聞いてくれ、これが最後の議題だ。


...ジョーくん、キミに質問する。」


ジ「あ...ああ！何でも聞いてくれ！」


ケ「鍵番のカードの内側...
つまり絵柄は何が描いてあった？」


成程...。
平民のカードに鍬の絵があった事から、鍵番には何の絵が描いてあるのかと言う疑問か...。


ジ「...！！」


ソ「え？答えられるよねぇ...？

賢者なら...。」


ジ「......。」


ジョーは焦った。
仮にジョーが賢者なら、正しい判断だが...。


ソ「さすがケイジさん！
たった一つの質問で暴いちゃったね！」


ジ「甘く見ないで貰えるッスか。

当然、カギの絵だ！」


しかし、ジョーは答えた。


ジョーは...賢者じゃないかもしれない。


ソ「あははははは！！
鍵番だからカギの絵...？
残念だねぇ、本当に...。

カンナ...キミはどう見えた？」


カ「...錠前の...絵でした。」


カンナも答えた。
ソウに指示された行動だろうから、言ってしまう事もソウにとっては想定内の行動だろう。


ソ「...正解。
鍵番の絵柄は錠前なんだ。

最後の最後でボロが出たね、ジョーくん。」


サ「そ、それじゃあ...タイガさんは？」


『ああ...オレか？
金庫とかにある、ダイヤルロックだったよ。』


それっぽい事を言った後...
カナエが既に覚悟を決めた表情で真っ直ぐにカイを見ているから、オレもその様子を見届ける。


「カイさん...占いの結果を教えて下さい。」


ジ「カナエさん！！
今更カイさんの話を聞いても時間の無駄ッスよ！！

オレを信じて下さいって！！」


カナエの決断。
それは...カイが賢者だと言うのと同意だ。

だからこそ、ジョーの役職が透けてくる。


「......カイさん。

貴方は...絵柄をあえて言わない訳じゃ無いですよね？
言う事が出来ないんですよね...？


ルールブックには...
“占いの力で鍵番の持ち主がわかるが、占いの結果についてウソをついていけない”って書かれてました。


あくまでも、鍵番の持ち主が分かるだけ...。


ジョー君、カンナちゃん、タイガは...
カードに描かれた絵の事を答えてしまった。

それは...本物の賢者にとってはルール違反に等しい。」


カイが賢者。
そして...ジョーは賢者を騙った身代。

サラは...もう、絶望的な表情をしている。



そして...カナエは結論を突き付けた。


「絵柄を言えない、カイさん。
──────貴方は賢者です...。』


カイ「...。


.........。


...ふ


ふふふふふ...。」


長い長い沈黙の後
カイは小さくこもる様な笑い声を上げると...


カイ「命運...尽きましたか。」


逃げ場を無くした獲物の様に...身を縮めた。

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