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「え?」
女将「私には詳しいことは分かんないし、詮索する権利もないけどさ、相手がどんな人だったかなんて、好きを前にすれば一旦はどうでもいいことなのよ」
女将「あ、でもその男が犯罪者とかDV男とか闇組織の者とかなら話は別だよ?」
「全然!彼は真っ当な人間です」
女将「ほら。なら、迷う必要もないじゃないか。
どんなに有名な人だってお偉いさんだって元々は私達と変わらない普通の人間なんだよ?
色目使って近づこうとする子らより私はあんたみたいに綺麗な心の子の方がいいと思う」
女将さんの言葉は私の心の奥を軽く叩いて
そこにぎゅうぎゅうに押し込めてたものが
一気に流れ出た
「ありがとうございます、ほんとに」
女将「よっぽどだったんだね、本当に綺麗な子だよあんたは」
実は女将さんは不思議な霊感のようなものを持っている人で
ここに私が入ってきた瞬間、
その雰囲気でこの感情に波に気づいたと話してくれた
話し終えた後、まだ残っているつまみを食べていると
女将「そうだ、彼からの連絡、返してやりなさいよ?」
「そんなことまで分かるんですか?」
女将「流石に、そこまで鋭い能力じゃないわよ(笑)
さっきから携帯、何度も確認しすぎなのよ」
「そんなに見てましたか?」
女将「見てた」
家を出ようとしたあの時、小瀧くんからの電話が鳴った
気分が気分だっただけに出る余裕がなくて無視した
女将さんのいう通り実はずっとその不在着信が気になっている
なんの電話だったんだろう
かけ直すべきか、どうか
ただ、今も電話をする余裕はない
女将「はーい、これから2名ね。うんうん、大丈夫よもう客もほとんどいないから」
女将さん電話で予約を受け終わって、戻ってきた
店内には気づけば私1人
女将「これから2人お客が来るんだけどさ、あんたもう少しここに居なよ」
「え?」
女将「待ってるといいことあるわよ」
いいこと?なんて思いながら少しだけワクワクしている自分がいる
酔いが少し回った頭では余計なことを考えることは出来なかった
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作者名:弦 | 作成日時:2020年7月13日 6時