雨降る夜に待ち合わせを【桃】 (ページ42)

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あれから2週間が経った
　
　
あの日以来、小瀧くんとは連絡をとっていない
　
　
向こうもきっと忙しいだろうから無理に連絡を取る必要はない
　
　
と、今すぐ彼と話したい欲をグッと押さえつけ我慢していた
　
　
　
　
　
最近、１つ大きな変化があった
　
　
この家についにテレビを置いてみたのです
　
　
奮発して買った最新のテレビは映像が綺麗でニュース番組も綺麗に見れる
　
　
　

いや、ニュース番組なんていうのは嘘
　
　
　

あの日から小瀧くんの正体を知った私は
　
　
貪欲にも彼の出ている番組を見たくなってしまった
　
　
今では出演している番組は録画をして何回も繰り返し見てしまう
　
　
少しストーカーっぽく感じてしまうのは気のせいだろうかと心配になる
　
　
　

　
休日、
　

　
「とうとう私もファンの一員だな」
　

　
私は近所のCD/DVDショップに来ていた
　
　
目の前にはジャニーズWESTのCDやDVDがずらりと並んでいる
　
　
その中から最新のDVDを手に取りレジへ向かう
　
　

　
　
帰宅後早速、DVD鑑賞へ
　
　

初めて見る小瀧くんの姿ばかりで変にドキドキする
　

かっこいいと思うよりも

何故か寂しいという気持ちが勝る
　
　

「こんなに沢山ファンの人がいて、歌って踊って、本当にアイドルなんだ・・・」
　
　
　

色んな彼を知れて嬉しい反面
　

あのまま知らないでいたほうが気持ち的にはもっと楽だったのにと思ってしまう
　
　
　

　
「やっぱり友達っていうのも難しいかな・・・」
　
　
　
　
　
いつの間にか終わっていたライブ映像
　
　
気づけば虚無を見つめ泣いていた
　
　
　

　
時刻は夕方
　
　
DVDをデッキから取り出しパッケージの中へ
　
　
表に写る彼だけを見つめ、またため息をついてしまう
　
　
　

　

「お腹すいた」
　
　
　
今日はなんとなく家で食べる気になれなくて
　
　
1人隣町までご飯を食べに行くことにした
　
　
　
　
身支度を整え、家を出ようとした時電話が鳴る
　
　
　
　

「ほんと、タイミングいいよね」