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うわー、ダイレクトに被ったな
あーあ、このTシャツ意外とすんねんけどな・・・
「あー!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!どうしよ、タオルっ」
すごい勢いでタオルを取りに行った神田さん
まあ、わざとじゃないからな、しゃーないか
すぐ帰って洗濯すればギリいけるやろ
が、一向に帰ってこない
『なんしてんねやろ』
彼女が走って行った後追うと、一人ぶつぶつ何か言っていた
『あの、大丈夫ですか?』
驚いた彼女はとにかく焦っていた
一通りなだめ、ご飯のお礼を伝えて帰ろうとすると
「お風呂!入って、いっていください、」
全く予想外の言葉やった
『へ?』
誤解されたくないと言わんばかりに早口で理由を並べる彼女の姿は愛らしい
『んははっ』
お言葉に甘えてお風呂まで頂いてしまった
綺麗な浴室、さては几帳面の所業やな?
シャンプーをしている時ふと思い出した
神田さんから微かに香ってた匂いはこのシャンプーの香りか
ええ匂いやと思っててんな
今神田さんと同じ匂いに包まれてる
うわっなんかおえろくない?!
って、あほか!やめとけ落ちつけ
わざわざ体のゴシゴシタオルまで新しいのを出してくれてる
なんていい人なんやろ
こんなことまでされると流石に惚れてしまうんちゃうかな俺
一人色んなこと考えてるとドアの外に影が見えた
神田さんがいるのは気づいてたけど、わざと話しかけ
もう使ったくせに洗顔の使用許可を得る
神田さんの反応がどうも一々ツボ
今回の騒動で意外な一面が知れて楽しくなってる俺がいる
「あの!」
油断してると今まで聞かれたことの無い質問が返ってきた
「パ、パンツも洗っていいですか?」
『パンツっすか?!、』
顔見知り程度の女の子が俺のパンツを洗ってくれている
変なドキドキがあるな
今日収録で結構汗かいたけど臭わへんかったかな、確認しといたらよかった
後悔と申し訳なさでいっぱいの中
貯めてくれたお湯にに浸かり、少しの間ぼーっとしてみる
にしてもここはええ匂いやな〜
落ち着く、気持ちいいな
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作者名:弦 | 作成日時:2020年7月13日 6時