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会計を済まして外に出ると
バケツをひっくり返したような雨が降っていた
家は近いから傘買うのもバカらしいし
雨が少し弱まるのを待って、家まで走ろう
流石にすぐにはそうもいかないわけで
一向に弱まらない雨に苛立ちを覚えてきた
するとさっきのプリンのお兄さんが出てきた
軽く会釈をして傘をさしてる彼の横で相変わらず佇んでいると
『どうしたんですか?』
気になったのか声をかけられた
「雨が弱まるのを待ってるんです」
『傘は?』
「もってなくて。でも家近いし、
わざわざ買うのも勿体ないんで走ろうと思って待ってます、弱まるの」
『あー、じゃあこれ良かったら、プリンのお礼』
「お兄さんが濡れちゃうんで大丈夫です」
『当分はこのままやと思うし、こんな夜遅いのに女性1人置いてく訳にはいかないんで、はい』
『はよ、帰ってくだいね』
自分の傘を私に押し付け、それじゃ とだけ言い残して雨の中を走って行った
「借りたはいいけどどうしよう、
せめて名前だけでも聞けば良かったかな」
しまったなと思いながら、借りた黒い傘をさして帰路につく
傘を打つ雨の音がなんだか心地よかった
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作者名:弦 | 作成日時:2020年7月13日 6時