−１２０− ページ15
櫻井さんが私の掴んだ手を見てから、私の方に視線を向ける。
「……帰らないって、言ったでしょ。」
翔「帰らないったって、俺も出るし。」
「え？どこ、行くの？」
翔「んー。まぁ、適当なとこ。」
女の人のとこなの？なんて聞けなかった。そうだよって言われたら、どうしてか自分が傷付いてしまいそうな気がしたから。
「こ、ここで寝ればいいじゃない。あのソファならベッド替わりになるでしょ？」
翔「寝れないんだよ。ココで。この空間に一人でいると苦しいんだ。」
大切な場所なのに、苦しい場所なの？
一人じゃなかったら、ココにいるの？
それなら…。
翔「それとも、Aが一緒にいてくれんの？一晩中。」
私が言葉にする前に、櫻井さんが水を止めながら寂しそうに笑う。
水の音が聞こえなくなったから、こんなに自分の胸がうるさいの？
先生に名前を呼ばれた時もドキドキしたけど、今とはまた何かが違う。
掴んだ腕を振りほどかれそうになって、思わず手に力が入っちゃうし。
そんな私を不思議そうに見つめる櫻井さんが何かを言おうとした時、ソファの隅に置いていた携帯が鳴って、驚いて小さく声を上げた。
翔「…鳴ってるけど。出ないの？」
「で、出るよ。」
手をパッと離すと、鳴り続けるスマホまで早足で近付いて手に取った。
先生…。
時計を確認すると、思いの外時間が経っていたんだと少し驚きながら、電話に出る為に部屋を出ようとしたら、櫻井さんに「ここで出れば？」ってやんわり止められて。
渋々部屋の隅っこでボタンを押した。
「…もしもし。雅紀さ…！！ん？！」
壁に向かって電話を取った私の後ろから、手がスッと伸びて来たかと思ったら、そのまま抱きしめられていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1561人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リュリュ(プロフ) - あさんさん» あさんさん！ありがとうございます！！本当、捻くれ者なので主人公ちゃんの言葉、ちゃんと受け止めてくれるかどうか…^^;。楽しみと言ってもらえて嬉しいです！またよろしくお願いします！！ (2016年10月2日 7時) (
レス) id: 533f88702c (このIDを非表示/違反報告)
あさん(プロフ) - はじめまして。ずっと読ませていただいてます。とうとう言ってしまいましたね。ちゃんと伝わるといいな、捻くれ者に。でも、先生の存在もまだ怖いような。次が楽しみです。ぶきっちょさん同士だからなかなかトントンとすすまないのかなー？ (2016年10月1日 17時) (レス) id: fea70bc483 (このIDを非表示/違反報告)
リュリュ(プロフ) - さとさん» さとさん☆ありがとうございます！やっと言えました。あーすっきり笑。甘い甘い翔さんお届け出来るといいなぁ(^^)翔さん頑張れ！いや、私が頑張れ！ですね^^;また次章でお会い出来るのを楽しみにしていまーす！！ (2016年10月1日 16時) (レス) id: 533f88702c (このIDを非表示/違反報告)
リュリュ(プロフ) - Ｍｉｎｔｙさん» Mintyさん^o^ありがとうございます！もう、辛抱たまらん感じで言ってしまいました笑。このまますんなり行きますかね。ワクワク…嬉しいです！！！ (2016年10月1日 16時) (レス) id: 533f88702c (このIDを非表示/違反報告)
リュリュ(プロフ) - kazuさん» kazuさん！言えました！いや、本当。相葉先生はきっと今頃シクシクと泣きながら後悔してるかもです。次も是非ともよろしくお願いします。 (2016年10月1日 16時) (レス) id: 533f88702c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リュリュ
| 作成日時：2016年9月15日 0時
