おとなりさん【熊谷みつ夫】 (ページ10)

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『ん…んん…』

目を開けるともう朝になっていることに気づく
隣には熊谷が無防備に寝ていた

あの後私が眠気でぶっ倒れたのだが恐らく熊谷が布団まで運んでくれたのだろう。

『…えっやばい熊谷起きて！遅刻しちゃう！』

「…ええ？」

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「A達遅いわね～」

「2人が遅刻なんて珍しいですよね」

『はあ…はあ…遅れてすみません…』

詩ちゃんと池照さんに噂をされている間にも熊谷と私は汗だくのまま出勤

というかもうほぼ熊谷に手を引っ張ってもらっていた

「はあ…はあ…」

「あれ！熊谷こんな時間に来んの珍しくね？」

兎原に絡まれている間に私は更衣室でスタッフ服へと着替える。
少し二日酔いが入っていて気持ちが悪い

「A大丈夫？二日酔いなら薬貸すよ！」

私の顔色の悪さをみて詩ちゃんがすかさず薬を渡してくれた。お礼を言い手元の薬をお茶で飲み込んだ。

『昨日珍しく飲んじゃってさ～』

「珍しーわね、なんかあった？」

『んー、少し考え込んじゃって！』

詩ちゃんは「いつでも話聞くから言ってね？」って優しい笑顔でその場を立ち去って行った

我ながら良い友達を持ったと思う。

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夕方には薬も効きだいぶ体も楽になった
収録が終わり、お疲れ様を言い交わす

私もマフラーを巻き帰る準備をする

「そういえば明日クリスマスじゃね？」

「あー確かに」

熊谷と兎原がそんな会話をしており不意に去年のクリスマスを思い出す。

裏道がクリスマスプレゼントをくれずそのまま日頃の愚痴大会になり大喧嘩になったっけか。

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外はイルミネーションやサンタさんコスプレ、カップルで溢れていた。

ため息混じりの白い吐息が私の目の前を横切る。

「あれ、A」

『裏道？この辺いるの珍しいね』

「飯買うついでにお店見て回ってた」

右手にご飯が入った袋を持つ裏道。
少し気まずそうにしてから私に少しほほ笑みかける

「飲み行く？」