おとなりさん【熊谷みつ夫】 (ページ18)

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「俺が、何を、保つのに必死だって？」

兎原は慌てたようにしてビールを飲み干すと
100円だけ置いてお店を後にしてしまった

『あ、ちょ足りないよ～…』

「…なにしてるんですか」

熊谷は不機嫌そうにして私のビールを取り上げると
一気に飲み干してお勘定をしてくれた

私の腕を強く引っ張りお店の外へ出る

「なんで兎原と飲むんですか」

『ちょっと相談してて』

「…帰りますよ」

変わらず不機嫌そうにしながら
私の腕を引っ張る

しばらくして家に着くと途端に鍵を閉め
私を壁へと追いやった

「なんの相談？」

『え、いや…熊谷の』

「なんで俺に言わないの」

珍しく敬語を使わない熊谷に動揺しつつ
嘘をつくことなく質問に答える

「俺以外の男とさしでお酒飲むのダメですよ。
Aさんお酒弱いんだから」

熊谷は私から離れて少し寂しそうに背中を見せた
隙を見て私は後ろからバックハグをする

『嫉妬…した。熊谷のこと狙ってる子と
距離感近くて怖くなった。』

「っ…」

『熊谷さ、私の事呼び捨てしてくれないし
敬語外してくれないしさ。』

どうしよう
言い過ぎたかもしれない

引かれているだろうか。

そんなことを考えていたら
熊谷は私をそのままベッドの方向へ連れていき
押し倒してきた

「…かわいい」

オオカミのような笑みを含め
猟奇的なキスを交わす

『ちょ、くまたにっ』

「シー…。嫉妬させてごめん、でも俺も…妬いたから」

初めて見る熊谷の表情
心臓がうるさいまま1夜が明けた