おとなりさん【熊谷みつ夫】 (ページ14)

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『…ふぅ』

朝6時。ベランダに出て一服する。
煙とともに寒さで白い煙がまとわりつく

「おはようございます」

『…おはよう。』

熊谷は野菜スムージーを片手に
空を見つめる

「あの、この間の」

『いい。聞きたくない。』

まだ半分以上残ってるタバコを地面に擦り付け
火を消し、吸殻を灰皿に入れる。

すぐに部屋の中へはいると仕事の準備を進めた

(わたしただのめんどくさい女だな～…)

--

「おはよA。昨日大丈夫だったか？」

『うん。ありがとうね』

裏道の手元には暖かいお茶があり
飲め、と私に渡してくれた

『…裏道』

「ん？」

『この間の復縁のはな』
「裏道くぅーん！ちょっと来てぇ！」

返事を出そうとすると出木田さんに呼ばれてしまい
スグにそっちへ行ってしまった

服の袖を握り少し息を整える。

すると後ろからいきなり声がする
振り返るとそれは熊谷で

「Aさん」

『えっ熊谷。なに？』

「人のこと化け物みたいに見ないでください。
…今日、少し家お邪魔してもいいですか？」

『い、いいけど…』

熊谷は少し気まずそうにしている
まさか他に好きな子でもできたのだろうか

「あ、A！裏道くんとどうなったの？」

『あ、詩ちゃん。しー…』

熊谷がいる横で詩ちゃんが気を使うことも無く
相談していたことの結果を聞いてくる

私は思わず人差し指を唇の前におき、
静かにするようにした

「あ、ごめん禁句だった？くまおくんてっきり知ってるもんかと思ってたわ！」

「いや、大丈夫です。」

少し顔をムッとしながら熊谷は着ぐるみの頭を持ちながら「じゃまたあとで」と去っていった

「くまおくんってさ～…あんたのこと好きでしょ」

『え、えぇ？まさか…』

そういえば考えたことがなかった
遊ばれてるだけだと思ってたけど

「ふふっ、わかりやすい。」

『な…なにが？』

「慌てて可愛いな～」と言いわたしの頬をつんつんさせると詩ちゃんもどこかへ去ってしまった