おとなりさん【熊谷みつ夫】 (ページ2)

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『おはようございます』

「「「おはようございます！」」」

職場へ着き挨拶をすれば
元気な声が様々なところから聞こえてくる

朝から元気なことに羨ましく思い溜息をつきつつ今日のスケジュールを確認する。

「あ、A。おはよう。」

『裏道おはよう。』

見かねた表田裏道が後ろから私に暗い顔をして挨拶をしてくる。

裏道とは大学の同級生で、少し話したこともあったのでこの職場に入った時一番仲良くなった。

そんな裏道はママンとトゥギャザーの主人公とも言っていい"たいそうのお兄さん"だ。

大学時代では体操で全国優勝してたっけか。

『あ、ねぇ。これ頼まれてたやつ』

「あぁ、ありがとう。…今日なんかいつも違くない？」

先週頼まれていた書類などを裏道に渡すと裏道は私の顔をジロっと見てそういった。

『ピアス、もう一個開けた』

裏道は「あーなるほどね」と納得した表情をし、ふらっとどっかへ行ってしまった。

『気づいてくれたんだ…』

少し体温が上がるのを感じていると後ろからまた元気な声が聞こえてくる。

「Aさーん！おはようございます！」

『兎原…おはよう』

金髪の彼の名前は兎原跳吉。
熊谷と同じく大学時代の後輩らしいが面識はなし。

あるかもしれないが覚えてない。

ニコニコしながら私にさらに近づいてくる。

「朝から顔暗いっすね～体調悪いすか？」

顔を覗きながらキョトンとした表情をする彼は

後ろから何者かにぶん殴られ地面へと倒れてしまった。

「おはようございます」

『熊谷…おはよ。兎原大丈夫？』

朝も見た顔だがあくまで職場は職場。
1から挨拶をし直す。

「てて…おい熊谷なにすんだよー！」

「すまん手が滑った。Aさん、裏道さんのこと見ました？」

『さっき控え室に向かってってたよ』

転がる兎原をひっぱりながら「ありがとうございます」といい、熊谷は裏道の控え室に向かった。

この物語はそんな愉快な仲間たちとの奮闘記だ。

多分…