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「ふむ…。面白い。」
「…え、」
「……神々は長い時を経て、世の移ろいと共に崇高する者の信仰心を薄れている。…だが、貴様が本気で 願うのならば、その地位を譲ってやってもいい。」
「…ほ、本当に言っているのか?」
「…貴様のような人間は珍しい。輪廻を弄り、それを自覚している。下手したら貴様は歴史を大きく変えるかもしれぬ。それに我もこんなまずいものを遣す村に仕えても意味はないしな。」
「まずいもの、って…」
ナチュラルに傷つけてくるよな…黒龍…
「だが、神の力を与えるという事は貴様も神と同等。人ではなくなる。当然。生きる時間も、存命の条件も変わってくる」
「存命…?」
「うむ。神の力を手に入れるということは神になる事。すなわち信仰心が必要である。」
「信仰心…」
「左様。これは、貴様は常に人の上に立ち…人から敬慕される人格でなければならない。」
「信仰心がなくなるとどうなる?」
「消える。_…わかりやすく言えば無だ。」
きっと神になれば生きる時間も変わり置いていかれる。そうして、年月の末、誰もが私を忘れさる時…無になる。
「神妙な顔じゃな。怖いか?」
だけど、
「……いや、私に力を与えてください。」
私はこの道を選ぶべきだ。
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作者名:koumori666 | 作成日時:2020年4月25日 11時