ヒーローになろうと誓った三人 ページ7
ずいずいずいっ、と上半身を傾ければ、それに合わせるように黒霧さんは身を引いた。
先生は穏やかに頷く。
「構わないよ」
「いい？ 黒霧……黒さん！」
「く、黒さん……？ え、えぇ、いいですよ」
こっちのほうが親しみやすいもんね！
わたしはドキドキと自分の心臓の音を聞きながら、黒さんのもやの中に手を入れた。
たぶん顔と思う部分を触る。
それはとても冷たくて、死んでいるのだとわかった。
死んだパパを思い出す。あの人も、こんな風に冷たかったなぁ。
わたしはもやの奥を見つめた。
ジジッ、とまるでノイズが走ったかのような映像がいくつか脳裏を駆け巡る。
個性をかけた相手の記憶はわたしにも共有される。
『ショー……――』
この青年はだれだろう。
『三人で――……』
三人で、なんなのだろう。
『……――ヒーローに』
ヒーロー？
この青年は、このふわふわの白髪の青年はヒーローを目指しているのかな？
もう少し、あと少し覗くことができればすべてわかる。
わたしがぐっと意識を集中させた途端、ここから先に立ち入ることを拒絶するように、バチッと電流が走ったような痛みが手を突き刺した。
慌てて顔を離し、黒さんから距離をとる。
もつれた足は上手く動かず、尻もちをついた。
「大丈夫？」
盛大にこけたわたしに、弔が心配そうに顔を覗き込んだ。
先生はやっぱり笑っていて、黒さんはどこか落ち着かないようにゆらりゆらりともやを揺らしていた。
わたしは弔を見て、先生を見て、黒さんを見て、また弔を見た。
「なんか、すごかった……」
ふわふわの髪の毛の青年はいったいだれだったのかな。もしかしたら彼が黒さんのベースとなった人なのかもしれない。
とても気になったけど、もう一度あの記憶を覗こうとはどうしても思えなかった。
さっきとは違う意味で荒ぶる鼓動を感じながら、わたしはただ黒さんを見上げることしかできなかった。
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眠 - 最近ずっとヒーロー側の作品しか読んでなかったからたまには敵連合側もいいかな〜って思って初めて主人公が初めから敵連合側の作品読んだけど面白い。まだ全然読んでないけど初めから最後まで敵連合側でも悪くない！これから一気に読み進めるぞー！ (2021年10月1日 19時) (
レス) @page2 id: cfd8dfa5f7 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 九音さん» 九音さん、コメントありがとうございます！敵連合のメンバーもこれから出てくるのでどうぞお楽しみに！ (2021年3月23日 13時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
九音(プロフ) - 敵連合と弔くんが好きで拝読させていただいてます！これからも更新楽しみにしています！ (2021年3月23日 1時) (レス) id: f3a2c0cf62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊 | 作成日時：2021年3月21日 18時
