目覚め ページ20
わたしが目を覚ましたのはそれから二日後のことだった。
ひどい喉の乾きで目覚めたのを覚えている。
目を開けて、瞬きを繰り返してゆっくりと起き上がった。すぐにこの場所が自分の部屋だと気づき、先生から個性を渡されたことを思い出した。
「……A」
ベッドに突っ伏して眠っていた弔が小さな呻き声と共に声をもらした。
自分の手を見下ろしていた目線を上げて苦しそうに顔を歪める弔を見る。
目の下にはクマができていて、ずっとわたしのそばにいたんだ。……心配かけてごめんね。
声を出そうにも案の定喉は潰れているのか、ガサガサとした音しか出せなかった。
一人顔をしかめる。
……お腹が空いたし、喉も乾いた
わたしは軽く弔の肩を揺すった。わずかにまぶたが動き、弔は目を開けた。
「A……！」
わたしが起きていることに気づいた弔は大きく目を見開いて飛び起きる。
五本の指で触れないように弔はぺたぺたとわたしの顔を触った。
「大丈夫？ どこか痛いとこ、ない？ 俺のこと覚えてる？」
幼いころの口調に戻っている弔がおかしくて、へにゃっと頬を緩めた。
「だ、いじょ、ぶ」
弔の手に自分の手を重ねてガサガサの声で返事する。
「水、水持ってくる」
動くなよ、と言い残し、弔はパタパタと急ぐように部屋を出て行った。
黒さんにわたしが目覚めたことを伝える声が聞こえてくる。
布団を剥ぎ、スリッパを履くと少しふらふらする体で立ち上がった。
(そういえば……)
立ち上がったわたしの脳裏に蘇ったのは誕生日ケーキのことだった。
結局フルーツタルトを食べられていない！
由々しき事態だ！！
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眠 - 最近ずっとヒーロー側の作品しか読んでなかったからたまには敵連合側もいいかな〜って思って初めて主人公が初めから敵連合側の作品読んだけど面白い。まだ全然読んでないけど初めから最後まで敵連合側でも悪くない！これから一気に読み進めるぞー！ (2021年10月1日 19時) (
レス) @page2 id: cfd8dfa5f7 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 九音さん» 九音さん、コメントありがとうございます！敵連合のメンバーもこれから出てくるのでどうぞお楽しみに！ (2021年3月23日 13時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
九音(プロフ) - 敵連合と弔くんが好きで拝読させていただいてます！これからも更新楽しみにしています！ (2021年3月23日 1時) (レス) id: f3a2c0cf62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊 | 作成日時：2021年3月21日 18時
