決意 ページ19
喉の奥がヒュッと鋭い音を立てた。
死ぬ、と本能的に思った。
刹那、部屋中に絶叫が響き渡る。
「……先生」
「止めてはダメだよ弔」
いたい、いたい、痛いいたいいたいいたいいたい、頭の内側が、爆発するッ！
視界の端に赤が滲む。どこかの血管が切れた。内臓が腹を這い上がる。
いたい、いたい、いやだ、やめて！！
許しを乞いながら、わたしは先生の腕を掴んだ。ギリギリと音を立てて指が先生の腕にくい込んでいく。
「やﾞ……だ、だずげで、先生、やﾞめﾞで」
涙が目の端から伝って床に落ちる。
開きっぱなしの口から唾液がこぼれた。
暴れ、床を思い切り蹴る。この痛みがなくなるのなら、家が壊れることくらいなんてことない。
先生の掴まれた腕の骨がミシミシと音を立てた。それでも先生は微笑んだまま離そうとはしなかった。
「せ、先生！」
「大丈夫」
「黒霧も、なにか――」
「小鳥遊Aならきっと大丈夫です」
喉が裂けそうな叫び声だった。実際、わたしの喉はもう裂けていたかもしれない。
弔がわたしに触れようと手を伸ばした。
瞬間、Aの体が大きく仰け反り、先生はパッと手を離す。そのままAは倒れるように気を失った。
慌てて走って受け止め、床と激突することはなかったが、俺の心臓は痛いくらいに荒ぶっていた。
Aはさっきまでの苦しみが嘘のように穏やかな顔で眠っている。
訪れた静寂の中、先生は俺とAに近づいた。
咄嗟にAと先生の間に入る。
「よく耐えたね、二人とも」
それに気づいているのか、先生は俺の腕の中からAを取り、横抱きにした。
「これで君たちはより強くなれる。いや、強くなった」
先生は愛おしそうにAを見て微笑み、Aを部屋へ運んで行った。
その後ろ姿を呆然と見送っていた俺は黒霧に肩を揺すられてようやく我に返った。
「大丈夫ですか？ 死柄木弔」
「…………Aが傷つくのは、見たくない」
耳の奥でまだAの絶叫が響いている。
脳裏にAの悶える姿が焼きついて離れない。
握りしめた拳が震えるのを感じた。
「…………Aは、俺が守らなきゃ」
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眠 - 最近ずっとヒーロー側の作品しか読んでなかったからたまには敵連合側もいいかな〜って思って初めて主人公が初めから敵連合側の作品読んだけど面白い。まだ全然読んでないけど初めから最後まで敵連合側でも悪くない！これから一気に読み進めるぞー！ (2021年10月1日 19時) (
レス) @page2 id: cfd8dfa5f7 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 九音さん» 九音さん、コメントありがとうございます！敵連合のメンバーもこれから出てくるのでどうぞお楽しみに！ (2021年3月23日 13時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
九音(プロフ) - 敵連合と弔くんが好きで拝読させていただいてます！これからも更新楽しみにしています！ (2021年3月23日 1時) (レス) id: f3a2c0cf62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊 | 作成日時：2021年3月21日 18時
