おつかい失敗…… ページ12
二人はぐらりと体を傾け、そのまま地面に倒れた。
狂った男が口の端から泡を吹きながら、弟の首に手をかけた。
ぎちぎち、と首がしまっていく。男の顔がみるみる紫になっていく。
それをぼんやりと見ていたわたしは、足元に落ちていた拳銃を拾い上げた。
抵抗していた弟は、ついに事切れた。
手がぱたりと地面に落ちる。
「ふぅーん、これが拳銃かぁ」
手元の拳銃をいじりながら、わたしは少し前の記憶を思い出していた。
二番目の家に引き取られたときだったかな。
拳銃のおもちゃをその家の息子に突きつけられたことがあった。
わたしより力を手に入れたと思い込んだ息子は、高笑いをしながら拳銃を振り回していた。
うるさくて、静かにしてほしかったからおもちゃの拳銃を奪って、息子の目を失明させた。
使い方がわからなかったから拳銃の先で思い切り殴ったら失明したらしい。ざまぁみろ！
「大丈夫。ちゃんと使い方はしってるよ。あのあと色々試してみたんだ」
弟にまたがっていた男がゆらりとAを振り返る。
銃口をそいつに向けた。
「これを引けば……いいんでしょう？」
試しているうちに、何人か近所の人を殺してしまったけど。でも、あの人たちはわたしの糧になってくれたんだから、死んだ甲斐があったってもんだよね。
光のない紫の瞳が、ぐるりと回った。
▽
「ねぇえええ！！ 弔ぁ！ 黒さぁああん！！」
夕飯の買い出しに行ったAがぜんぜん戻らない。
腹を空かせたぼくは玄関から聞こえてきた声に黒霧と顔を見合せた。
あまりにも遅いのでなにかあったのかと心配していたけど、この声のデカさは大丈夫だろう。
「……なにその怪我」
「変なやつに絡まれてね、ゴミ捨て場に投げられてね、蹴られたの！！ それでね、卵がつぶれちゃった……。ごめんなさい」
口元を血まみれにして、ぼさぼさの髪のAは買い物袋を申し訳なさそうに黒霧に差し出した。
なぜか右手には拳銃が握られている。
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眠 - 最近ずっとヒーロー側の作品しか読んでなかったからたまには敵連合側もいいかな〜って思って初めて主人公が初めから敵連合側の作品読んだけど面白い。まだ全然読んでないけど初めから最後まで敵連合側でも悪くない！これから一気に読み進めるぞー！ (2021年10月1日 19時) (
レス) @page2 id: cfd8dfa5f7 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 九音さん» 九音さん、コメントありがとうございます！敵連合のメンバーもこれから出てくるのでどうぞお楽しみに！ (2021年3月23日 13時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
九音(プロフ) - 敵連合と弔くんが好きで拝読させていただいてます！これからも更新楽しみにしています！ (2021年3月23日 1時) (レス) id: f3a2c0cf62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊 | 作成日時：2021年3月21日 18時
