術式の開示 ページ10
「私の術式はどんな相手にも強制的に弱点を作り出すことができます」
Aはキッ、と鋭い目で前の呪霊を睨みつけた。
「7：3。対象の長さを線分したとき、この比率の点に攻撃を当てることができればクリティカルヒット」
七海の話す言葉を聞きながらAはふと思う。
あの鉈を比率の点に攻撃を当てる。
つまり、七海はごりごりの近接戦闘を行うのか。
(……えっ！！ あの見た目で！？)
「私より格上の者にもそれなりのダメージを与えることができますし、呪力の弱い者であればこのナマクラでも両断できます」
着こなしたスーツ。
すらりとした体躯。
丁寧な口調。落ち着いた声。
インテリを擬人化したような七海が、近接戦闘。
んんん、ギャップの塊だ。
「聞いていますか、虎杖さん」
「あっ！ 私に言ってたの！？」
ただの独り言だと聞き流し、ギャップについてうんうんと考えていたAは思わず叫んだ。
大きな独り言だなぁ、と思っていたのは黙っておこう。
「そういうのってバラしてもいいもんなの？」
まだ襲いかかってこず、こちらの出方を伺っている呪霊をちらりと見る。
この呪いに集中したいが、話は聞かなければダメらしい。
「バレても問題のない術式、問題のない相手。またはバラすことでミスリードを誘うのであれぱいいでしょう」
まるで先生のように説明する七海にAは「ほへ〜」と相槌を打つ。
こういった術式について詳しくは五条からは聞いていなかったため、知らないことだらけだ。
「メリットはあります。手の内を曝すという縛りが術式効果を底上げするのです」
とんっ、と身軽な動きで七海は前に跳んだ。
握りしめられた鉈に呪力が宿る。
「こんな風に」
目にも止まらぬ速さで振るわれた鉈は瞬く間に呪霊の手足を切り落とした。
支えをなくした呪霊は痛みに呻きながら地面に倒れ込む。
それを見たAはぽかん、と口を開けた。
「すんげ……」
刀身は布でぐるぐる巻きのはずだ。
それなのに、呪霊の手足を切ってしまった。
これが、一級呪術師。
七海は血を払うように鉈を回し、肩に引っ掛けた。
「私からは以上です」
ふとAのほうを見た七海は大して表情も変えずにAの後ろを指さした。
「虎杖さん、後ろ。危ないですよ」
背後に気配を感じた。
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柊(プロフ) - ハルヒさん» ハルヒさん、コメントありがとうございます！私もこの2人が大好きなんです〜！応援ありがとうございます！頑張ります！！ (2021年1月13日 23時) (
レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
ハルヒ(プロフ) - ヒェッ…ナナミン好きやからこの2人のカプ嬉しい…応援してます頑張ってください！！！ (2021年1月13日 23時) (レス) id: 46554589d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊 | 作成日時：2021年1月6日 0時
