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透明な殺意 ページ39

彼女の横顔が、差し込む光に照らされる。
長い睫毛に囲まれた瞳が、七海を見、凄まじい殺意を秘めて真人を睨んだ。

重力にならい、落ちていく体。
はためくスカートから伸びた脚は、地面を踏みしめるためにわずかに曲げられていて。
まるで、絵画のようだと、七海はどこか遠いところでそんな考えが浮かぶのを感じていた。

結界術は内からの耐性をあげるほど、外からの力に弱くなる。
領域は閉じ込めることに特化した結界。逆に侵入することは容易い。なぜなら、侵入者にメリットはないからだ。

無量空処や自閉円頓裹のように相手を領域に引き入れた時点で勝ちが確定するとなればなおさら。

だが、虎杖Aの裡には――


心臓が大きく跳ねた。

「言ったはずだぞ」

触れてはいけない(モノ)がある。


その男は、呪いの王は、両面宿儺は、不愉快そうに告げた。


「二度はないと」


真人の肩から血液がほとばしった。

領域内に着地したAの頬にそれが飛ぶ。

天上天下唯我独尊。己の快・不快のみが生きる指針。両面宿儺、彼にとって七海が死のうと真人が死のうとどうでもいい。

唯一の好奇はただ一人。
それ(伏黒恵)以外は心底どうでもいい。


領域が崩れ、七海とAは地面に足を着いていた。真人は血を出しながら座り込んでいる。

「なに、が……」

倒れた怨敵を前に、0.1秒の自失。
その間走った思考の上澄み。


失血
七海
限界
生存
領域



殺せる



体が動いた。地面をえぐり、Aは駆け出した。


殺す――!!


ぼこぼこぼこっ、

奇妙な音と共に、真人の体が大きく変化する。
残った呪力を絞り出し、真人は全身を巨大化させた。

的がでかい。呪力の流れも凪いでいる。カウンターはない。確実に攻撃を当てられる。最後のチャンス。

駆け引きはもういらない。
そこにあるのは、限りなく透明な殺意。

また明日→←最期に映るは彼女のこと



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(プロフ) - ハルヒさん» ハルヒさん、コメントありがとうございます!私もこの2人が大好きなんです〜!応援ありがとうございます!頑張ります!! (2021年1月13日 23時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
ハルヒ(プロフ) - ヒェッ…ナナミン好きやからこの2人のカプ嬉しい…応援してます頑張ってください!!! (2021年1月13日 23時) (レス) id: 46554589d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年1月6日 0時

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