幸せな家庭 ページ22
「そんでそんで！ タカシくんが『これは外来種の幼虫だ！』とか自信満々に言うから拾ってみたらさ！」
Aは器用に箸で糸こんにゃくをつまんだ。
「糸こんにゃくだったんですよ」
「ぶははははは！！！」
順平の母、凪の笑い声が響いた。
彼女に夕食に誘われ、久しぶりにだれかの手料理を振舞ってもらったAはニコニコと笑顔だ。
一方、かなり酔っているらしい凪は顔を真っ赤にして、順平の肩をぐわんぐわんと揺らす。
「糸こんだって糸こん！！」
「母さん、飲みすぎ……」
「ほらAちゃん、モノボケモノボケ！」
(……最悪の酔っぱらいだ)
テーブルに置いてあったお盆をAに手渡した凪。それに恥ずかしさを覚えた順平は思わず頭を抱える。しかし雑すぎるフリをされたにも関わらず、Aは意気揚々とお盆を受け取った。
ひとつ咳払いをする。
「ウィルソーン！ ウィルソーン！！」
「げほ、ごほっ、そ、それ、キャストアウェイだろ」
「大正解〜！」
「映画ネタ？ 私わかんない……」
主人公のチャックが、話友だちとしてウィルソンの顔を描いたボールをお盆で再現しているのだ。
ご丁寧にお盆にそこら辺にあったもので顔を作っている。
それに噴き出した順平にAは照れくさそうにニカッと笑った。
腹を抱えて笑う順平に凪は幸せそうに微笑んだ。
順平がこんなにも笑っているのを見るのは本当に久しぶりだ。
喜ぶ子を見守る母。
幸せな家庭だ。
Aはそっと目を伏せ、椅子に戻った。
「ムチャぶりして、ごめんね」
「いいよいいよ、楽しかったし！」
それから一時間経った頃。
すっかり眠ってしまった凪に毛布をかけ、順平は申し訳なさそうに眉を下げる。
「いいお母さんだね」
「……うん」
順平は凪の顔にかかる髪をそっと耳にかけた。
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柊(プロフ) - ハルヒさん» ハルヒさん、コメントありがとうございます！私もこの2人が大好きなんです〜！応援ありがとうございます！頑張ります！！ (2021年1月13日 23時) (
レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
ハルヒ(プロフ) - ヒェッ…ナナミン好きやからこの2人のカプ嬉しい…応援してます頑張ってください！！！ (2021年1月13日 23時) (レス) id: 46554589d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊 | 作成日時：2021年1月6日 0時
