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幼魚と逆罰 ー弐ー ページ14

翌日。

高専内の一室。
七海、A、伊地知がホワイトボードを前に真剣な顔をしていた。

「ここ最近の失踪者、変死者、窓による残穢の報告をまとめました」

ホワイトボードには一枚の地図が貼られていた。
いくつか矢印と印が打ってある。

「これである程度犯人のアジトが絞られます」
「おっし! 乗り込もう!」

すっかり制服も乾き、意気込むAに七海はきっぱりと首を横に振った。

「いえ。まだまだある程度です。私は調査を続けますので虎杖さんには別の仕事を」

今回の任務はずっと七海と行動を共にすると思っていたAはぱちくりと目を瞬かせる。

驚き半分、残念半分といったところだろうか。

「映画館にいた少年、吉野順平」

ホワイトボードに新たな写真が貼られる。

右目を長い前髪で隠した少年の写真だ。
なんとなく薄暗い印象を受けた。

「彼は被害者と同じ高校の同級生だそうです」

映画館の監視カメラはスクリーンに続く通路のみが映っていたが、佇まいを見る限り呪詛師である可能性は低いと七海は考えていた。

そこでAが手を挙げる。

「じゅそし? ってなに?」
「悪質な呪術師のことです」
「呪術師なのに悪質なの?」
「はい。金稼ぎのために呪術師を殺すような輩もいます」
「へぇ〜……」

そんな輩がいるなんて知りもしなかった。仲間同士で殺し合うだなんて。しかも金のために。

顔を難しくしたAに七海は少し眉を下げた。

「虎杖さん。手順は伊地知くんに任せてあるので二人で吉野順平の調査をお願いします」

Aはきゅっと目をあげると伊地知と共にびしっと敬礼のポーズをとった。

「あたし、伊地知さん以外の補助の人知らないや」
「まぁ虎杖さんが生きてるって知ってるの私だけですから必然的に。……すみません、もうしばらく我慢してください」
「なんで伊地知さんが謝んの?」

疑問を口にしてAはニカッと笑った。

「これからよろしくお願いしやす!」

ぴょんっと伊地知より一足先に部屋を出たAは階段を降りようとしてハッと気づいた。
慌てて元の部屋のドアから顔をのぞかせる。

七海と伊地知は振り返った。


「ナナミン、気をつけてね!」


まったく悪意のない笑顔。
清々しく向けられた笑顔。
かけられた励ましの言葉に、七海は口元を隠すようにサングラスに手をかけた。

「ありがとうございます、虎杖さん」

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(プロフ) - ハルヒさん» ハルヒさん、コメントありがとうございます!私もこの2人が大好きなんです〜!応援ありがとうございます!頑張ります!! (2021年1月13日 23時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
ハルヒ(プロフ) - ヒェッ…ナナミン好きやからこの2人のカプ嬉しい…応援してます頑張ってください!!! (2021年1月13日 23時) (レス) id: 46554589d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年1月6日 0時

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