脱サラ呪術師 ページ5
「Aと七海が会ってたってことは聞いてたけど、七海が呪術師だってのは知らないでしょ?」
なんだか様子のおかしいAに首を傾げながらも、五条は話を進める。
「てことで」
五条はがしっと七海の肩に腕を回した。
満面の笑みで七海を指す。
「脱サラ呪術師の七海建人くんでーす!」
「その言い方やめてください」
五条の距離の近さには慣れているのか、七海は腕を組んだままため息をこぼす。
Aは元サラリーマンと聞いて、なんとなく納得していた。
呪術師は変わった人間が多い(五条のように)が、七海はそのサングラスを除けば至って普通のサラリーマンに見える。
「脱サラ……。なんで初めから呪術師になんなかったんスか?」
「私が高専で学び気づいたことは、呪術師はクソだということです」
五条の腕を退けて、七海は言う。
七海の口から「クソ」という単語が出てくるとは思っていなかったAは思わず思考が止まる。
(……いきなり呪術師が呪術師を否定した)
「そして一般企業で働き気づいたことは、労働はクソということです」
「そうなの??」
社会経験のないAにはわからないが、なにか嫌なことでも思い出したのか、七海の眉間にシワが増えた。
しかし、呪術師も労働もクソならなぜこちら側に戻ってきたのだろう。
「同じクソならより適性のあるほうを」
そんなAの心の声が聞こえたのか、七海は言葉を続ける。
「出戻った理由なんて、そんなもんです」
適性があるから呪術師に戻った。いつ死ぬかもわからない呪術師に。
呪術師は全員どこかイカれていると聞いていたが、やはり七海もイカれているのだろうか。
それとも
「虎杖さん」
七海の声にAは物思いから覚めた。
「私と五条さんが同じ考えとは思わないでください」
出戻った理由はほかにある。のかも、しれない。
「私はこの人を信用しているし信頼している」
Aの隣の五条がドヤ顔を見せつけてきた。
まぁAも五条のことには全幅の信頼を置いてはいる。
「でも尊敬はしてません」
「あぁん!?」
「あ、わかる」
「ちょっとA!?」
「上のやり口は嫌いですが、私はあくまで規定側です。話が長くなりましたね」
すぅ、と七海は息を吸った。
「要するに、私もあなたを術師として認めていない」
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柊(プロフ) - ハルヒさん» ハルヒさん、コメントありがとうございます!私もこの2人が大好きなんです〜!応援ありがとうございます!頑張ります!! (2021年1月13日 23時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
ハルヒ(プロフ) - ヒェッ…ナナミン好きやからこの2人のカプ嬉しい…応援してます頑張ってください!!! (2021年1月13日 23時) (レス) id: 46554589d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊 | 作成日時:2021年1月6日 0時