サプライズ ページ6
「第一、私は大人で彼女は子ども。未成年に手を出す人間にはなりませんよ」
ついに新聞を閉じ、七海は真っ直ぐに五条を見据えた。
「あんまりぼやぼやしてると僕がかっさらっちゃうよ?」
七海の眉間にわずかにシワが寄る。それを見て、五条はけらけらと笑った。
「あっ、先生ぇー!! ナナミンもやっほー!」
ピリリとした緊張感を孕んだ空気をやぶったのは、Aの快活な声だった。
五条を探していたAは、ひょいっと顔を覗かせて明るい笑顔を見せる。
さっきまでの空気が一変して、和やかになる。
「こんにちは、虎杖さん」
「こんちわ!」
五条の元に駆け寄ったAは、わくわくと目を輝かせて手を握りしめた。
「早くみんなのとこ行こ! 交流会って今日からなんでしょ!?」
楽しみであんまし眠れなかったんだー! と笑うAに、五条はぴんっと人差し指を立てた。
「死んでた仲間が二ヶ月後、実は生きてましたなんて術師やっててもそうないよ。……やるでしょ」
サプライズ
「……んー、いや、五条先生」
サプライズのあらましを聞いたAは、困ったように笑いながら首を横に振った。
「あたし、普通にみんなに会いに行くよ」
ぱちくり、と五条は目を瞬かせた。
我ながら最高のアイデアだと思っていたのだが、Aにとっては違うらしい。
「恵の目の前で心臓えぐり出されて死んだから、トラウマになってるかもしれないし、野薔薇にはなにも言えずに死んじゃったから、自分を責めてるかもしれない」
Aはそっとまぶたを伏せた。
「だから、ふざけずにちゃんと謝りたい」
五条はしばらく黙っていたが、やがて息を吐いた。
「そうだね、Aの言う通りだ。軽率なこと言ってごめんね?」
「ううん! 五条先生が謝ることじゃないよ!」
そのやり取りを黙って見ていた七海は、ふとあることを思いついた。
その案は、彼にしてはいささか幼稚な動機からだったが、五条の言葉が頭を離れなかったせいもあり、実行に踏み込むことにした。
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柊(プロフ) - あーさーさん» あーさーさん、コメントありがとうございます!虎杖ちゃんかわいいですよね!そう言っていただけて嬉しいです!オチはナナミンで決定しています。今のところ伏黒くんルートは考えておりません……。申し訳ないです汗 更新がんばります! (2021年6月5日 7時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
あーさー(プロフ) - コメント失礼します!虎杖ちゃんが可愛すぎませんか??もうこれは推すしかないなぁと思いました!落ちはナナミンで決定ですか?もしよければ恵ルートを書いて頂けないでしょうか...あくまでも一意見なので無視してもらっても全然大丈夫です!更新楽しみにしてます! (2021年6月5日 0時) (レス) id: 300c895943 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - すぴさん» すぴさん、コメントありがとうございます!一気読みもありがとうございます!うれしいです!東堂くんとの会話は書いてて私も楽しいです!この先もハチャメチャになる、かも……!これからもよろしくお願いします! (2021年4月30日 13時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
すぴ(プロフ) - とても面白くて一気読みしてしまいました!東堂くんとの会話めちゃくちゃ面白くて好きです!更新楽しみにしてます^ ^ (2021年4月30日 9時) (レス) id: 4a1a097f66 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 餅さん» 餅さんコメントありがとうございます!一気読み……ありがとうございます!虎杖ちゃんかわいいですよね!東堂くんとの絡み、かなりハチャメチャになりそうです笑 応援ありがとうございます! (2021年4月18日 19時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊 | 作成日時:2021年3月7日 0時