呪術甲子園 ページ36
「っつーわけでさ、色々あったし人も死んでるけど。どうする? 続ける? 交流会」
のんびりした五条の声を聞きながらAは周りを見渡した。
言われた通り広間に行ったAはそこに揃うメンツに思わず立ち止まった。
そこには京都校、東京校の全員が揃っていたのだ。
いったいこんなところでなんの話をするのだろう、と訝しんでいたAは最後に入ってきた五条の言葉に納得した。
たしか交流会は二日にわけて行われる。
初日に呪詛師や呪霊に襲われ、人が死んだ。果たしてこのまま交流会を続けていいものか。
その話をするためだ。
「うーん……どうするって言われてもなぁ」
Aは腕を組んで首を捻る。
横からの野薔薇の視線はなるべく気にしないようにする。たぶんAの目元の赤さに気づいているのだろう。
どうかそこには触れないでいただきたいものだが。
野薔薇は黙ったままAの横顔を眺めていた。
「当然、続けるに決まっているだろう」
難しい選択だ、とAが唸ったとき、不意に声がした。
全員の目が声の主に向く。
Aは「げっ」とあからさまに嫌そうな顔をした。
東堂がソファーに座り、自信満々にAを見上げていた。
「その心は?」
「一つ」
五条に問われ、東堂は人差し指を上げた。
「故人を偲ぶのは当人と縁のある者たちの特権だ。俺たちが立ち入る問題ではない。――二つ」
ピンッ、と中指が立つ。
「人死にが出たのならば尚更俺たちに求められるのは強くなることだ」
後天的強さとは結果の積み重ね。
敗北を味わい、勝利を味わうことで彼らは成長していく。
「結果は結果として在ることが一番重要なんだ」
よくわからない奴だと思っていたが、意外とマトモなことも言うんだな。
東堂の顔を見ながらそんなことをAは思った。
東堂は三本目の指を立てる。
「三つ。学生時代の不完全燃焼は死ぬまで尾を引くものだからな」
全員がそれぞれの顔を見合わす。
考えは一致しているらしい。
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柊(プロフ) - あーさーさん» あーさーさん、コメントありがとうございます!虎杖ちゃんかわいいですよね!そう言っていただけて嬉しいです!オチはナナミンで決定しています。今のところ伏黒くんルートは考えておりません……。申し訳ないです汗 更新がんばります! (2021年6月5日 7時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
あーさー(プロフ) - コメント失礼します!虎杖ちゃんが可愛すぎませんか??もうこれは推すしかないなぁと思いました!落ちはナナミンで決定ですか?もしよければ恵ルートを書いて頂けないでしょうか...あくまでも一意見なので無視してもらっても全然大丈夫です!更新楽しみにしてます! (2021年6月5日 0時) (レス) id: 300c895943 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - すぴさん» すぴさん、コメントありがとうございます!一気読みもありがとうございます!うれしいです!東堂くんとの会話は書いてて私も楽しいです!この先もハチャメチャになる、かも……!これからもよろしくお願いします! (2021年4月30日 13時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
すぴ(プロフ) - とても面白くて一気読みしてしまいました!東堂くんとの会話めちゃくちゃ面白くて好きです!更新楽しみにしてます^ ^ (2021年4月30日 9時) (レス) id: 4a1a097f66 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 餅さん» 餅さんコメントありがとうございます!一気読み……ありがとうございます!虎杖ちゃんかわいいですよね!東堂くんとの絡み、かなりハチャメチャになりそうです笑 応援ありがとうございます! (2021年4月18日 19時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊 | 作成日時:2021年3月7日 0時