検索窓
今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:147,361 hit

どんな女がタイプだ? ページ15

一回、二回、三回、四回

絶え間なく東堂の蹴りがAの頭を貫いた。
衝撃で木からは葉が落ち、幹には血が飛ぶ。Aは抵抗することもできず、ただ攻撃を受けることしかできなかった。

「……終わりか」

最後の一撃を振ろうとした東堂は動きを止めた。

血まみれの顔面のAはズル、と力を抜き、立ち上がる気配さえ見せなかった。

「さて、どっちを追うかな」

Aに背を向けた東堂は呟き、背後の音に口元を歪めた。

「マジか、お前」

額からはとめどなく血が垂れる。
鼻からはぼたぼたと血が落ちる。
目も当てられないほど悲惨な顔のAが、しかしそこに立っていた。

「人の頭バカスカ殴りやがって。これ以上バカになったらどうすんだよ」

血走った目のAに東堂は首を横に振った。

「心配するな。高校生はバカなくらいがちょうどいいと高田ちゃんが言っていた」
「だれだよ高田ちゃんて。アイドル興味ねーよ、あたし」
「じゃあなんでアイドルってわかんだよ」

鼻血を拭いながらAは吐き捨てるように言った。

薄く笑った東堂はAと向き合う。
年下で女。戦闘経験も浅いと思っていたが、タフさは群を抜いている。

この女に興味が沸いた。

「一年、名前は」
「虎杖A」

本当は男にしかしない質問なのだが、今回は例外だ。
男女関係なく虎杖Aという人間を知りたい。

「そうか、虎杖A。お前に聞きたいことが一つある」

東堂は息を吸う。

「どんな女が好み(タイプ)だ?」

真面目な顔で聞かれたAはぱちくりと目を瞬かせた。

「女のタイプ? なんで今そんなこと聞くの? てかあたし女なんだけど」
「気にするな。ただの品定めだ。俺はお前を知りたい。そこに性別など関係ないさ」
「よくわかんねぇけど、強いて言うなら……」

Aの脳裏には部屋にも貼ってあるジェニファー・ローレンスのポスターが浮かんだ。

(ケツ)身長(タッパ)のデカい女の子、かなぁ……」

瞬間、東堂の脳内に溢れ出した存在しない記憶。

マイハニー→←東堂VS虎杖



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (231 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
926人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - あーさーさん» あーさーさん、コメントありがとうございます!虎杖ちゃんかわいいですよね!そう言っていただけて嬉しいです!オチはナナミンで決定しています。今のところ伏黒くんルートは考えておりません……。申し訳ないです汗 更新がんばります! (2021年6月5日 7時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
あーさー(プロフ) - コメント失礼します!虎杖ちゃんが可愛すぎませんか??もうこれは推すしかないなぁと思いました!落ちはナナミンで決定ですか?もしよければ恵ルートを書いて頂けないでしょうか...あくまでも一意見なので無視してもらっても全然大丈夫です!更新楽しみにしてます! (2021年6月5日 0時) (レス) id: 300c895943 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すぴさん» すぴさん、コメントありがとうございます!一気読みもありがとうございます!うれしいです!東堂くんとの会話は書いてて私も楽しいです!この先もハチャメチャになる、かも……!これからもよろしくお願いします! (2021年4月30日 13時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
すぴ(プロフ) - とても面白くて一気読みしてしまいました!東堂くんとの会話めちゃくちゃ面白くて好きです!更新楽しみにしてます^ ^ (2021年4月30日 9時) (レス) id: 4a1a097f66 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 餅さん» 餅さんコメントありがとうございます!一気読み……ありがとうございます!虎杖ちゃんかわいいですよね!東堂くんとの絡み、かなりハチャメチャになりそうです笑 応援ありがとうございます! (2021年4月18日 19時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2021年3月7日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。