再会 ページ8
前が見えないAの代わりに、七海に手を引いてもらうことで外に出たAだったが、あのとき七海の提案に乗ってしまったことを少し後悔していた。
好きな人と手を繋げるのは嬉しいが、これでは心臓が壊れてしまう。
(手汗大丈夫かな……)
ジャケットの下で、Aは静かに息を吐いた。
五条にささやかな仕返しができた七海はどこか満足そうだったとか。
△▽△▽
「伏黒、あんたさ」
京都校の面々が来るのを待つ間、野薔薇は隣の恵を見上げた。
「Aのこと、好きなの？」
ぴくっ、とわずかに恵の肩が揺れる。
その会話がうっかり耳に入ってきた二年は、黙り込み、恵の言葉を待った。
「……あぁ。死んでから気づいたけどな」
「あいつ、一目惚れした相手いるって言ってたけど？」
「付き合ってないんだろ？ なら、いい」
もう二度と、会うことはできないが。
ひゅーひゅー！ と聞こえてくる冷やかしの口笛に恵は顔をしかめた。
「あらお出迎え？ 気色悪い」
そのときだ。
京都校のメンバーが姿を現した。
禅院真衣。西宮桃。
「全員いるわね。……で、あの馬鹿は？」
真衣をたしなめ、歌姫が聞いた。
「悟は遅刻だ」
「
「だれもバカが五条先生のととは言ってませんよ」
「お待たせぇえ！！」
恵が最もなツッコミをしたとき、五条のハイテンションな声が響いた。
声のほうを見ると、どこか部族の人形を持った五条と、ジャケットをかぶったなにかを引く七海がいた。
「……あのスーツの人だれ？」
「七海さん。一級術師だ。たぶん一番マトモな大人だな」
野薔薇のひそひそに恵もひそひそと答える。
妙にハイテンションな五条は京都校の面々には持っていた人形を渡し、東京校の面々と向き合った。
とんっ、と七海に背中を押され、ジャケットをかぶった――人間が五条の隣に並んだ。
「東京校のみなさんにはこちらをプレゼント！！」
ハイテンションの大人って不気味。そう呟こうとした野薔薇は、思わず声を飲み込んだ。
隣の恵からも、息を飲む音が聞こえた。
ジャケットをばさりと頭からおろし、七海に渡した人間がすっと顔を上げた。
季節外れの桜色。
不安げに揺れる飴色の瞳。
薄桃色の唇は、震えながら開いた。
「久しぶり、二人とも」
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柊(プロフ) - あーさーさん» あーさーさん、コメントありがとうございます！虎杖ちゃんかわいいですよね！そう言っていただけて嬉しいです！オチはナナミンで決定しています。今のところ伏黒くんルートは考えておりません……。申し訳ないです汗 更新がんばります！ (2021年6月5日 7時) (
レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
あーさー(プロフ) - コメント失礼します！虎杖ちゃんが可愛すぎませんか？？もうこれは推すしかないなぁと思いました！落ちはナナミンで決定ですか？もしよければ恵ルートを書いて頂けないでしょうか．．．あくまでも一意見なので無視してもらっても全然大丈夫です！更新楽しみにしてます！ (2021年6月5日 0時) (レス) id: 300c895943 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - すぴさん» すぴさん、コメントありがとうございます！一気読みもありがとうございます！うれしいです！東堂くんとの会話は書いてて私も楽しいです！この先もハチャメチャになる、かも……！これからもよろしくお願いします！ (2021年4月30日 13時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
すぴ(プロフ) - とても面白くて一気読みしてしまいました！東堂くんとの会話めちゃくちゃ面白くて好きです！更新楽しみにしてます^ ^ (2021年4月30日 9時) (レス) id: 4a1a097f66 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 餅さん» 餅さんコメントありがとうございます！一気読み……ありがとうございます！虎杖ちゃんかわいいですよね！東堂くんとの絡み、かなりハチャメチャになりそうです笑 応援ありがとうございます！ (2021年4月18日 19時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊 | 作成日時：2021年3月7日 0時
