呪いの王を宿した少女ｰ２ｰ〈呪術廻戦／成り代わり〉 (ページ17)

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考えるなページ17

想像を絶する痛みだった。

踏ん張った足は地面にめり込み、今にも膝をつきそうだ。

切り落とされた傷口を衝撃が抉る。
ボロボロの指先が焼けきれていく。

「ぐ……うﾞぅ、ぅうぅうう！！」

歯の隙間から唸り声がこぼれる。
浮かんだ涙が後ろへ流れた。

痛い

痛い
痛い
痛い

辛い

辛い
辛い
辛い

心の中で声がする。

人を助けろ

わかってる。
助けなきゃ。人を、助けなきゃ

あぁ、でも、浮かんでしまう、後悔。

あのとき、私が指なんて拾わなければ。
喰わなければ。
あのとき、あのとき、

やめろ、考えるな！！！

痛い

嫌だ
もう嫌だ

逃げたい、逃げたい

死にたくない

脳裏を駆け巡る色んな人の顔。

目を閉じたじいちゃん。
泣きじゃくる先輩。
包帯まみれの先輩。
最強の先生。
無愛想な青年。
綺麗に笑う少女。

パン屋まで連れて行ってくれた、男性。

一目惚れだった。
またどこかで出会いたかった。
とても、素敵な男性だと思った。

死にたくない

ここで死んで、死んだとして

遺言が歪む

それは、正しい死なの？

人を助ける。助けなきゃ。
ねぇ、でも、じゃあ、だれがあたしを助けてくれるの？

いいや、考えるな

「あﾞぁぁああぁぁああぁあああ」

考えるな!!

また、体が浮いた。

あたしは

こんなに

弱かったのか

.