戦闘開始 ページ30
怒りが体を巡る。
「オッオマ、オマエ、ジュジュチュ、じゅじゅちゅじゅっじゅっ、呪術師だろ」
男性を無造作に投げ捨て、ソレはAを指さす。
言語を話せる、ということはそれなりに等級の高い呪霊なのだろうか。
いや、そんなことどうでもいいか。
「呪術師だろ、ナァ？ 俺は賢いンダ」
こいつが冥冥の言っていた帳を降ろしている呪霊だろう。
だが、話し方も拙いし、どことなく漂う知性の低さに違和感を覚えた。
「ツギハギ顔の呪霊が来てるだろ？ どこにいる」
今すぐ殴り飛ばすにのは抑え、Aは口を開いた。
聞き出せる情報はなんでも聞いておかなければならない。
「ツギ……ハギ？ ツギハギ？」
「顔に縫い目のある奴のこと」
「馬鹿にスルな！！ それくらい知っテる！！ 俺は、賢い」
ソレは何度か「俺は賢い」とつぶやいたあと、足元を指した。
「真人は下……俺はココで帳ヲ守ってるンだ」
「マヒト……真人か」
かつて救えなかった友の顔が浮かぶ。
彼もそんな名前を呼んでいた。
(……本当にこいつが帳を二枚も？)
やはり違和感は拭えない。
すぐに怒りだす幼稚さ。ペラペラと自分のボスの居場所を話す軽薄さ。
Aは視線を巡らし、ソレの斜め後ろにある物に目を留めた。
それは地面に突き刺さっている杭のような物だ。呪符が書かれた布でぐるぐる巻きにされている。
──俺はココで帳ヲ守ってるンだ。
呪霊はそう言っていた。
降ろすでも張るでもなく、守ると。
そうなるとあれがかなり怪しくなる。とにかくぶっ壊すのが最優先か。
「知ってるカ？」
呪霊の声にAは視線を戻した。
「形を変えラレタ人間は味が落ちるンだ！」
ず、とAの額に青筋が走った。
「俺は賢いから違いガわかル！！」
刹那、Aの鋭い蹴りが呪霊の顔面にめり込み、体を大きく吹き飛ばした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 974人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RENKA - ついに五条先生が封印されちまった…夢主ちゃん達頑張れ！ (2021年10月31日 0時) (
レス) @page33 id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - さーまさん» さーまさん、コメントありがとうございます！呪いの王は渋谷事変で完結を予定しています！それまで更新が不定期になりますが、どうぞよろしくお願いします！夢主ちゃん！がんばれー！！ (2021年10月6日 17時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
さーま(プロフ) - ああついに渋谷事変突入...夢主ちゃん(泣) メンタル持つか心配ですが更新楽しみにしております！！ (2021年10月6日 15時) (レス) @page27 id: b41a80569b (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - RENKAさん» RENKAさん、コメントありがとうございます！ようやく続編に行けました……！これからも不定期ですが更新していくのでどうぞよろしくお願いします！ (2021年8月21日 11時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - 続編おめでとうございます！いつも楽しく見させて頂いております、自分のペースで無理せず頑張って下さい応援してます♪ (2021年8月20日 12時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柊 | 作成日時：2021年8月15日 0時
