悪者退治 ページ29
「改造人間がうろつき、一般人を襲っているのが地下四階。そして大多数の一般人は地下五階の副都心線にいる、と思う」
Aは地下二階を目指し走りながら、冥冥との会話を思い出していた。
「思う？」
「私が遣った烏は呪力を帯びているからね。術師を入れない帳の張られている地下五階には入れなかった」
地下に逃げるしかない一般人を改造人間が追いかけ、出来上がった状況が今だ。
「そして私の烏が狩られたのは地下一階と地下二階の間。そこに帳を降ろしている呪霊か呪詛師がいる」
不気味なほど静まり返った地下に、Aの走る音と息遣いだけが響く。
不思議と恐怖はなかった。妙に視界が晴れていて、かすかに気分が高揚していた。
「再び上がってきた一般人を狩るつもりなのか、帳の条件の問題か。位置取りの理由もそもそもの地下五階隔離の目的も不明だが。今の私たちは情報が少なすぎる」
呪霊は悪だ。それに与する呪詛師も悪だ。
力を持たない人を正しくない死へ導く悪い奴らだ。
「そんな状況で戦力を分けるのはどうかと思ったが、ぐずぐずしていては地下四階の一般人が全滅する。だから君には地下二階にいるであろう帳を降ろしているモノを退治してほしい」
悪い奴らは退治しなくては。
時計の針が動く。
21：03
東京メトロ 明治神宮前駅 地下二階
キュッ、と甲高い音を立ててAの足が止まった。
さっきまで静かだったそこには、気味の悪い光景があった。
Aは顔を歪め、鼻をつくおぞましい匂いに奥歯を噛み締める。
ぼりぼりぼり
人が食われていた。
ぼりぼりぼり
スーツを着た男性が頭をすべて食われていた。
ピクピクと脱力した指先が動いた。
まだ完全には死んでいない。
「おン？」
男性を貪り食っていたソレがAを見た。
「なに、見テんだヨ」
ソレはバッタの姿をした、しかし人間の手足を持った、形容し難いモノだった。
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RENKA - ついに五条先生が封印されちまった…夢主ちゃん達頑張れ！ (2021年10月31日 0時) (
レス) @page33 id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - さーまさん» さーまさん、コメントありがとうございます！呪いの王は渋谷事変で完結を予定しています！それまで更新が不定期になりますが、どうぞよろしくお願いします！夢主ちゃん！がんばれー！！ (2021年10月6日 17時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
さーま(プロフ) - ああついに渋谷事変突入...夢主ちゃん(泣) メンタル持つか心配ですが更新楽しみにしております！！ (2021年10月6日 15時) (レス) @page27 id: b41a80569b (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - RENKAさん» RENKAさん、コメントありがとうございます！ようやく続編に行けました……！これからも不定期ですが更新していくのでどうぞよろしくお願いします！ (2021年8月21日 11時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - 続編おめでとうございます！いつも楽しく見させて頂いております、自分のペースで無理せず頑張って下さい応援してます♪ (2021年8月20日 12時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊 | 作成日時：2021年8月15日 0時
