呪いの王を宿した少女 ｰ５ｰ〈呪術廻戦／成り代わり〉

渋谷事変　第一夜 ページ26

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記録──2018年 10月31日 19:00
東急百貨店 東急東横店を中心に
半径およそ400mの帳が降ろされる




「一般人のみが閉じ込められる帳です」

十一月がすぐそこに迫ってきている夜。

20：14
東京メトロ渋谷駅 13番出口側(帳外)

「一般人は侵入のみ。窓には個人差が。術師は補助監督含め出入りが可能です」

歩道橋の上に立つのは、補助監督の伊地知。
難しい顔をして腕を組む七海、恵、猪野。

「電波は？」
「絶たれています。連絡は帳をでて行うか、補助監督の足を使ってください」

七海、恵、猪野の三名は七海班として渋谷駅へ踏み込む。

「それで、五条さんは」

明らかに異質な出来事。ハロウィーンで大勢の人が訪れる渋谷に降ろされた帳。
なにかがおかしい。

この状況に呪術師最強のあの男が来ないはずがなかった。

「人がいない！？ 駅前のスクランブル交差点に！？ ハロウィーンの渋谷よ！？」

同刻 渋谷マークシティ レストランアベーニュ入り口(帳外)

素っ頓狂な声を上げる野薔薇、眉間に皺を寄せる真希、そして禪院家当主、禪院直毘人。
淡々と、しかし青い顔で言葉を続けるのは補助監督の新田だ。

「そこでなにかがあったみたいっス。みんな散り散りに帳の縁まで逃げてこう訴えています」


五条悟を連れて来い



「帳は壊せんのか？」
「難航してるっス。なにせ帳自体は術師を両側から拒絶はしていない」

帳自体をどうこうするわけではなく、それを降ろした張本人を叩いたほうが早いだろう。

「なら私らはその手伝いだな？」

首を傾ける真希に新田は「いいえ！」と両手を広げた。


「みなさんはまだここで待機っス」

高度な結界術に五条悟を指名したこと。
これはおそらく交流会を襲撃した奴らの犯行だろう。

上は被害を最小限に抑えるために五条悟単独での渋谷平定を決定した。



文化村通り
道玄坂二丁目東(帳内)

20：31
五条悟 現着

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