覚悟は決めたはずだった ページ12
「ツミキの姉ちゃん無事だった？」
いつもと変わらないように見える恵に聞くと、彼は目を合わせずに頷いた。
「問題ない。それより任務の危険度がつり上がった。この件はほかの術師に引き継がれる。お前らはもう帰れ」
明らかに恵は焦っていた。
どこか、Aたちの間にこれ以上踏み込むな、とでも言いたげな壁を作って。
「お、お前らって恵は？」
「俺は武田さんに挨拶して帰る。ほら、行け！」
半ば無理やり車内に押し込まれ、Aは口を閉じた。
緩やかに車が動き出す。
大人しくシートにもたれたAは隣に座る野薔薇を見た。
「……野薔薇」
「はーっ……。っんとになにも喋らないわね、アイツ」
野薔薇は面倒くさそうに頭をかき、息を吸った。
「あっ！！ 新田さん、すみません、私さっきのコンビニに携帯忘れちゃったみたい！」
「えっ！ 携帯を！？ なにやってんスか！」
「ほんとにごめんなさい！ ちょっと取りに行ってくる！」
ぱちん、と野薔薇にウィンクされ、Aも慌てて声を出した。
「あ、あたしもついてくよ！ 野薔薇一人じゃ危ないし」
「新田さんは先帰ってて！」
「え、でも」
それ以上新田がなにかを言う前に、Aと野薔薇は車から降りた。
駆け足で来た道を戻る。
「なんでもかんでも抱えるんだから、あのバカは」
「てか野薔薇、さっきの演技めっちゃ上手かった！」
「え！ そぉ？」
「よっ！ 天才！ 女優！ レッドカーペットを歩く女！！」
身の内に湧く感情を殺すようにAは声を張った。
恵のことが心配だ。
ツミキの姉ちゃんも心配だ。
六月、自分がしてしまったことの代償に対する恐怖もある。
順平のときにもう覚悟は決めていたはずだった。
自分の手は血で汚れてしまったのだと。元のなにも知らない自分には戻れないのだと。
何度も何度も言い聞かせたのに。
(今さらビビってどうすんの)
まだ未練タラタラな自分が恨めしい。
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RENKA - ついに五条先生が封印されちまった…夢主ちゃん達頑張れ！ (2021年10月31日 0時) (
レス) @page33 id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - さーまさん» さーまさん、コメントありがとうございます！呪いの王は渋谷事変で完結を予定しています！それまで更新が不定期になりますが、どうぞよろしくお願いします！夢主ちゃん！がんばれー！！ (2021年10月6日 17時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
さーま(プロフ) - ああついに渋谷事変突入...夢主ちゃん(泣) メンタル持つか心配ですが更新楽しみにしております！！ (2021年10月6日 15時) (レス) @page27 id: b41a80569b (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - RENKAさん» RENKAさん、コメントありがとうございます！ようやく続編に行けました……！これからも不定期ですが更新していくのでどうぞよろしくお願いします！ (2021年8月21日 11時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - 続編おめでとうございます！いつも楽しく見させて頂いております、自分のペースで無理せず頑張って下さい応援してます♪ (2021年8月20日 12時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊 | 作成日時：2021年8月15日 0時
