飛べない鳥は空を描くｰ３ｰ〈ヒロアカ〉 (ページ18)

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わたしの分身ページ18

わたしは生徒たちが肝試しをしているらしい森の中を歩きながら、タバコに火をつけた。
ほかのみんなもこの森の中にいる。

タバコを吸い始めて二週間ほど経ったが、どうやらわたしはなにか緊張することがあるとタバコを吸いたくなるらしい。
意識して考えてみると、そのようだ。

先生のためにもこの作戦は失敗できない。
弔にもガッカリされたくない。失望されたくない。
もしそのせいで捨てられたりなんかしたら……。うぅ、考えたくないなぁ。

「煙臭いんだよ、お前」

刺々しい言葉が後ろから突き刺さる。

荼毘さんだ。

「絶賛木を燃やしてるあなたに言われたくないですよ……」

煙を吐き出し、わたしも負けじと刺々しく言い返した。

マスタードくんのガスに加えて荼毘さんの炎で木を燃やして、さらに黒煙を起こす。
視界の邪魔と、煙が目にしみて痛がってくれたらラッキー程度の役割だ。

「おいおい喧嘩すんなよ。いいぞ！もっとやれ！！」

わたしの隣を歩きながら、トゥワイスさんが困ったように言う。

初対面のときから感じていたが、荼毘さんとは馬が合わない。
彼からしたらどんな人間ともつるむ気はないようだけど。

「トゥワイス、やるぞ」
「おう！任せろ！」

トゥワイスさんの個性は二倍。
諸事情により自分は作れないけど、そのほかの分身を作ることができる。

その個性で荼毘さんとわたしを作ってもらって、捨て身の偵察に行く。

腕一本を折られた程度の衝撃で分身は消えてしまうが、それでも引率の先生との勝負には持ってこいだ。
死なないのだから、少々無茶なこともできる。

「よろしくね、トゥワイスさん」