飛べない鳥は空を描くｰ３ｰ〈ヒロアカ〉 (ページ2)

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やな夢ページ2

じっ、とわたしは天井を見つめていた。

嫌な夢を、見たな。
まるで幼い自分に責められているような夢だった。

じっとりと背中が汗ばんでいる。それは夢のせいかもしれないし、弔に引っつかれているせいかもしれない。

弔を引き剥がし、わたしはベッドに座った。

最近、この夢をよく見るようになった。
なにかに追われているような、なにかに責められているような。
とにかく落ち着かない。

わたしは立ち上がり、着替えもせずパジャマのままバーのカウンターに向かった。

「おはようございます、小鳥遊A。今日はずいぶん早いですね」

カウンターにはすでに黒さんがいて、朝食を作ってくれていた。

「おはよ、黒さん。なんかやな夢見ちゃってさ」

椅子に腰かけ、わたしはカウンターに突っ伏した。

「やな夢？どんな夢か聞いても？」
「んー、なんかね、小さいころのわたしがわたしを責めてくるの」
「責める？」
「うん」

コト、とパンケーキが出される。
蜂蜜のたっぷりかかったそれを頬張った。

「どうして人なんて殺すのって。人じゃないって。怒られちゃった」

コーヒーを入れていた黒さんはしばらく考えてから言葉を発した。

「あなたは……人を殺したくないんですか？」

牛乳を飲み、わたしは肩をすくめる。

「そりゃ殺すか殺さないかだったら殺さないほうがいいよ。別にわたしは人を殺すことに快感とかを覚える系じゃないし。でもさ」

殺す過程に意味はない。
殺したという事実が必要なのだ。

「人を殺さないといけないじゃん。わたしたちの目的を果たすためには」