共鳴り ページ38
「呪霊が逃げる！！」
Aの言葉通り、腕を切られた呪霊はせめてもの足掻きのように、すぅ、と壁を通り抜けていた。
Aが捕まえようと手を伸ばしたが、掴んだのは空気のみ。
「A！ その腕よこせ！！」
「お、おう！」
釘崎はジャケットのボタンを開け、Aに叫んだ。
Aは言われた通り、そばに落ちていた呪霊の腕を釘崎に向かって放り投げる。
釘崎のジャケットの内側から出てきたのはひとつの藁人形。
それを腕の上に置くと、落ちていた金槌と釘を拾い上げ、すぅぅ、と息を吐いた。
ふわりと浮いた釘に青白い光が宿る。それは釘崎の呪力だった。
「芻霊呪法――」
ヒュッ、と小気味のよい風を切る音。
振り下ろされた金槌が釘の臀を強く叩いた。
「共鳴り」
藁人形越しに、釘が呪霊の腕に深々と突き刺さった。
ギェェ！ と建物の外、恐らく呪霊が逃げた方向から断末魔のようなものが聞こえてくる。
知らず知らずのうちにAたちにのしかかっていた、重たい、呪霊の気配も消えた。
「だぁかぁらぁ言ったでしょ！ 一人は危ねーから真面目にやれって！」
「一人は危ないなんて言われてないわよ！！」
「言っ…………てなかったね！！ ごめんね！！」
少し血のついた藁人形を挟んでAと釘崎はギャーギャーと言い争いをしていた。
目をつりあげた釘崎はAが現れた壁を指さす。
ぽっかりと穴が空いていた。
「つーか何食って育てば素手で壁ぶち破れんのよ！！」
「鉄コンじゃなかったからだよ！！」
「鉄コンじゃなくても無理よ普通！！」
だんだんヒートアップしてきた言い争いが終わったのは、人質だった少年がAの袖を引っ張ったからだった。
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森 - なんだこれぇ…おもろいやん…惚れてまう… (2022年2月1日 23時) (
レス) id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - テイルさん» テイルさん、コメントありがとうございます！ご指摘の通り、悠仁の漢字を間違えていました汗 急いで訂正致しました。おもしろいと言っていただき嬉しいです！これからも更新頑張ります！ (2020年11月30日 0時) (レス) id: 4990928c1f (このIDを非表示/違反報告)
テイル - 面白いです!!私はこう言うの読みたかった!! 頑張って下さい!! ところでどうでもいいんですけど ユウジって悠仁じゃありませんか? 悠二じゃないような…? (2020年11月30日 0時) (レス) id: 76f38bdf79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊 | 作成日時：2020年11月28日 19時
