観光旅行……？ ページ34
「釘崎野薔薇。よろしく」
腰に手を当て、堂々と釘崎は立った。
その様子にウザ、と思ってしまう伏黒と、同性である釘崎が来てくれたことの喜びに顔を輝かせるA。
「あたし、虎杖A！ 仙台から」
「伏黒恵」
じとーーーーー、と釘崎は二人を観察した。
まずはA。
癖の強い桜色の髪を一つに結び、飴色の瞳をキラキラとさせている。純粋な顔に穢れなどない。それが逆に釘崎にある少女を思い出させた。しかし、小さい頃にハナクソを食べてそうな感じがする。
次に伏黒。
名前だけ言う伏黒に釘崎は不信感を抱いていた。
偉そうな男は無理なのだ。きっと絶対重油まみれのカモメに火をつけたりしていたのだろう。ケッ。
「私ってつくづく環境に恵まれないのね……」
はぁー、と大きなため息をつく釘崎にAはむっと顔をしかめた。
人の顔を見てため息をつくなんて。
「これからどっか行くんですか？」
かなり悪い印象を抱かれているとはつゆ知らず、伏黒は五条を見上げた。
「ふっふっふっ、せっかく一年が三人揃ったんだ。しかもそのうち二人はおのぼりさんときた」
目隠しで見えない目を五条は光らせた。
「行くでしょ。観光旅行」
▽△▽△
「…………ねぇ、先生。ここって本当に六本木？」
Aは目の前の廃ビルを見上げた。
さっきまで歓喜を浮かべていた顔には疑問と絶望が浮かんでいた。それは隣の釘崎も同じだ。
観光旅行に連れて行ってあげると言われ、ウキウキでついて行ったら、到着したのは物々しい空気を漂わせている廃ビル。
「いますね、呪い」
「嘘つきぃぃぃぃいいい！！！」
冷静に告げる伏黒に、頭を抱えて絶叫する釘崎。
薄く笑う五条は、もともと観光旅行など行くつもりはなかったのだろう。地方民を弄びやがって！！
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森 - なんだこれぇ…おもろいやん…惚れてまう… (2022年2月1日 23時) (
レス) id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - テイルさん» テイルさん、コメントありがとうございます！ご指摘の通り、悠仁の漢字を間違えていました汗 急いで訂正致しました。おもしろいと言っていただき嬉しいです！これからも更新頑張ります！ (2020年11月30日 0時) (レス) id: 4990928c1f (このIDを非表示/違反報告)
テイル - 面白いです!!私はこう言うの読みたかった!! 頑張って下さい!! ところでどうでもいいんですけど ユウジって悠仁じゃありませんか? 悠二じゃないような…? (2020年11月30日 0時) (レス) id: 76f38bdf79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊 | 作成日時：2020年11月28日 19時
