51.熱 ページ1
輝気side
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……ほんっとうに、死んだのかと思った。
目の前には頬を紅潮させ僕のベッドで
ふうふうと息をするA。息苦しそう
に眠っている。
先程、この子は風呂場の脱衣場で倒れ込み、
気を失うという恐ろしいことを起こした。
倒れたAを見つけたときはもう目のやり場
に困るだとかそんなことを意識する暇は毛頭なく、
死んでいやしないだろうな、とただただ焦った。
問答無用(問答する相手もいなかったが)で
僕のスエットを着させ、急いで水を飲ませ、
それからそれから……言っていったらきりがない。
とにもかくにも息をしている。
水を飲ませ、落ち着いた場所へ移動すれば
意識も少し戻した。
それだけで僕は全身の力が抜けきるほどに
安心をしたのだった。
そうして今、僕の部屋のベッドへ寝かせたと至る。
「うわ……三十九度……。」
ピピピっ、という電子音を聞き、Aから
体温計を抜きとる。
そこに表示された温度に思わず顔をしかめた。
「もう……だから早くお風呂入れって言った
じゃないか。」
苦しそうに眉を垂らしたまま眠るAに
一人そう語りかけ、赤くなった頬を撫でる。
……熱い。
可哀想に。辛いんだね。
思わずぎゅっと抱きしめたくなる衝動にかられた。
はて、家に冷却シートのストックはあった
だろうか。僕は救急箱のなかや冷蔵庫の
なかを漁ってみたものの、見つからない。
仕方がない。タオルを濡らして代わりにしよう。
桶を用意し冷たい水を張ると、そこへ清潔な
タオルを沈める。
Aはやはり苦しいらしく、時折、短く
声をあげていた。三十九度の熱だ。うなされる
のも無理はない。
僕はつきっきりで看病をするつもりだ。
明日は学校を休んででも、隣にいようと思う。
水をきった濡れタオルをAの額に
そっと乗せ、彼女の寝顔をぼんやり眺めた。
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五月七日(プロフ) - 凄く面白いです大好きです！応援します！！ (2019年3月26日 19時) (
レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
Mi - とっても面白い作品でこっちもドキドキしました!!有り難うございました！ (2019年3月25日 20時) (レス) id: 8c9f90ef49 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2019年3月24日 16時
