杉山紀彰（声優）さんが病気です。

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常に何かに責め立てられている気がした。些細な失敗を気に病み、でもそれを悟られまいとして明るく振る舞った。表面だけ笑って、でも自分の本心は見せない。弱いところは人には決して見せない。そうやって生きてきた。


付け入る隙がない。ガードが堅い。私生活が想像出来ない。そう言われるようになった。真面目でいい人だと言われる度に胃が痛んだ。


実際の自分はそんなに立派な人間じゃない。いつも人目を気にして、誰かに責められるのを恐れて生きている。


望んでいた評価を手に入れたが、それでもまだ胃の痛みは治らなかった。人に自分を曝け出せない自分が何より嫌だった。しかし、本当の自分を見せた時の周りの反応を考えると…とてもそんなことは出来なかった。




痛い。




(もっと強い薬、買わないと…)


そう思って目が覚めた。その瞬間、



「〜ッっ、った、い、、」



強烈な痛みがあった。



「杉山さん！」


目の前にはよく知った顔。


「あ、、安元、くん…」


……思い出した。


安元くんの家で、吐いて、、



きっと彼に大きな迷惑をかけた。



「ふ、ぅ、、った、、」


胃の痛みが増した気がする。


「っご、めん、くすり、とっ、て、、」


安元くんに頼むが、


「何言ってるんですか。杉山さん、薬の飲みすぎで胃潰瘍になってたんですよ⁈」







……道理で薬が効かない訳だ。




それでも、痛いものは痛い。


「っは、んん、、ぅ」


必死に息を整え、顔を背けて耐える。


しばらくすると、大分楽になった。痛み止めが効いたのだろう。

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