「 脛に傷持ち 」 ページ31
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妙さん お良さんを家へと送る最中
最近休みがちの花子さんと出会い
橋の上から飛降り様として居たのを助けた
助けた代償と言っちゃなんだが
計八個の擦り傷に 顔に痣が出来た
話を聞く為 泣き出した花子さんを連れ
妙さんの家へとお邪魔させて頂いた
暗黒物質を生産し
僕等の顔面へとお見舞いしてくれた銀時と新八君は
妙さんの拳骨により成敗され
小売店へと好物を買いに行った
「 お鍋は嫌い?
花子ちゃんは確か大阪出身よね
お好み焼きとかの方が良かったかしら 」
『 おこのみやき…… 』
名前は知ってるけど
どんなものか知らないんだよなぁ
食べ物、だよね。 食べてみたいな
「 おーかさ?
出稼ぎアルか? 私もアル、仲間ネ! 」
『 出身が此処では無いって所は僕も同じですね! 』
僕も一応田舎から上京して来た身
? 花子さんが顔を手で覆った
また泣いてしまうのかと慌てた
「 あかん……御免
江戸に来てから人の優しさに触れた事なんて
あんま無かったもんやから…
あんた等みたいな人も居ったんやなぁ こんな近くに 」
「 花子ちゃん… 」
「 おーかさどうした! 元気出せよオメェ!
これのめ これのめ! 負けんな 都会に負けんな! 」
神楽ちゃんなりの優しさ。
ふふ 本当優しいなぁ
無意識でやってのけちゃうから凄いと思う
「 私にも出来る事があれば力になるし
私達同じ店で働く仲間じゃないの 」
「 お妙ちゃんほんまに力になってくれるん? 」
「 ええ、私で良ければ 」
「 あの、それなら言い難いけど…おか 」
「 金は貸さねぇぞ 」
「 あ、アッハハッ真逆……話、聞いてくれる? 」
お金の貸し借りはね いざこざが面倒ですから
ある程度。 理解出来る程には花子さんの話を聞いた
「 ハァー? どりーむきゃっちゃー? 」
ドリームキャッチャー。
夢を掴むって事かな?
聞くからに怪しい団体に引っ掛けられたらしい
出稼ぎの時
警戒していたにも関わらず騙されたらしく
毛の生えたホクロで幸せになろう。
という勧誘に乗ってしまって現在こんな始末に
「 ほんま騙されたわ…! 」
「 己は馬鹿かァ!!
そんなちっさい黒豆で
人生左右されてたまるかァッ!
そんな汚らしいホクロ携えて
ダンス踊る気だったんかァァ?! 」
怒っても仕方ない
普通の人は小さい黒子で夢叶うとは思わない
その時点で怪しく感じる筈
純粋というか 無垢というか
無知というか 馬鹿というか
何だかな 遣る瀬無い
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作者名:こなた | 作成日時:2017年7月4日 17時