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『 気にしないで下さい、心は女性。
何も出来なくて当たり前です 』
「 スー子ぉっ! 」
わー、皆さんに抱き締められた
ちょっと苦しいけどたまには良いかな
「 お前叩かれた所真っ赤だぞ! 」
『 あぁ……どうりで熱を帯びてわぁっ!! 』
急に米俵みたいに担がれ 視界が高くなった
ママさんに持ち上げられたらしい
「 何で言わないのさ、跡が残ったら大変だよ 」
『 すみません。 有難う御座います 』
本当に良い人ばかり
笑って謝って礼を言った
泊まり込みで 夜を過ごし
朝になり
買出しに向かい帰り道に色んな話を聞いた
氷菓子奢って貰っちゃった
「 女より気高く、男より逞しく。 それがママの口癖
私達みたいな中途半端な存在は
それ位の気ぐらいがないと世の中渡っていけない
誰よりも何よりも強くなくちゃいけないの 」
「 それじゃあアゴミも強いの?
アゴミの顎は何でも砕けるぅ? 」
「 なんで顎限定の強さなんだよ
それにしても西郷殿の強さは情強を逸してるな。
あれは只者ではない 」
「 ええ、昔は凄かったらしいわよ。
何だっけなあ? そう白フンの西郷とか呼ばれてて
白い褌一丁で暴れ回った豪傑らしいわ 」
「 それだけの情報じゃただの変態じゃあねえかっ 」
「 白フンの西郷……何処かで聞いたような… 」
『 でも、アズミさん
自分に言い聞かせる様に言わなくったって
中途半端な存在ってのは案外必要なものですから 』
「 スー子… 」
「 おら! かかってきてみろよぉ! 」
「 お前の父ちゃん
父ちゃんなのに母ちゃんじゃねぇか! 」
「 此奴も男なのに娘なんじゃねぇのぉ! 」
パー子ちゃんはソーダアイス
僕はチョコアイス
ヅラ子ちゃんは珈琲を
いじめの主犯達に吹き掛けた
関与すべく幼稚になった
ぐじゅぐじゅぺっ!って吐き出したよ
「 うわああああああっ! 危険な汁が出てるぅ! 」
「 逃げろーっ! 」
「 僕、大丈夫?? はっ…て、てるくん! 」
どうやらアズミさんの知り合いだったみたい
「 てる彦ぉぉぉぉ!! 何があったの!?
こんな大怪我して! 病院! 早く病院に行かなきゃ!
赤ひげよ! 赤ひげ呼んでぇぇ! 」
『 大丈夫ですか? 』
膝をつき同じ目線になり
砂を拭ったり、絆創膏を貼ったり
擦り傷程度だけど
両親からしたら大怪我なのだろうか?
「 有難う、お姉ちゃん。 大丈夫だよ 」
『 なら良かったです 』
先程の事を聞こうとした西郷さんに
てる彦さんは気まずくなり家を飛び出した
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作者名:こなた | 作成日時:2017年7月4日 17時