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「 海水 」 ページ35

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寝ていた所を叩き起こされ
海へ向かって 歩みを進めて数時間

何だってこんな暑い日に。
天人狩りなんかしなきゃいけないの

だからと言って断るに断れなかった
神楽ちゃんが異様に楽しみにしていたから

無銭旅行の為に色々と楽な。
簡単な事をやりなんとか徒歩で行ける様になった

僕は限界なので定春君の上に乗せて貰った
定春君丁度いい速度で歩くから眠くなってしまう

太陽は燃え盛ってるけど。
こんな所で寝たら絶対死ぬ

「 どこまで行っても海なんてネェじゃねぇか 」

「 文句言わずに歩きなさい
まだ三キロも歩いて無いわよ 」

「 ハァ ハァ ハァッ……み みずをください…、 」

「 水なら定春の首にアルヨ 」

「 え、あ、はあっはあっ、…っこれはっ… 」

「 生水は体に毒だから飲めない様にしてるアル 」

「 のめない…… 」

水の入っている樽を
頑丈に塞いでる鍼みたいな物を引っ掻く新八君

それじゃあ手の皮膚が崩れてしまう

『 ……飲みかけで 冷たくないけどお茶飲む? 』

僕は飲みかけとか気にしないけれど
新八君 気にする子だったらあれだね

でも脱水症状とかの方が心配

「 ありがとうございます……っ 」

わあ、凄い飲みっぷり。
けどま残す余裕なんて無いか

仕方ない。

猛暑な上太陽が燃え盛ってるのに
歩き続けるなんて正気の沙汰では無い

「 ズッリィゾォオメェ…… 」

「 やばい…呂律が回らな……い 」

「 いやあ、流石だね長谷川さん……

男は倒れる時も前のめりって
どっかの社長が言ってたっけ………… 」

「 焼けたアスファルト〜
へばり付いた頰っぺが香ばしい匂いだねえ〜っ 」

『 人って焼けるんですね…… 』

「 いや、暑いよぉ…ねぇ、助けてよぉ…
本当頰っべた熱いし焦げ臭いし…
動けないんだよほんと…

ひとのはなしきいてる? 」

「 あっ……海…! 」

眼前に広がる輝く真っ青な水

まるで宝石を散りばめたみたく光ってる

凄い!

「 オメェらいくぞ! 」

疲労なんてなかったかの様に走り出し

辿り着いた砂浜は見事に蛻けの殻
人っ子一人居ないかと思ったのに海の家に人が居た

海の家をやっている肌が焼けた
保護眼鏡を掛けたお兄さんに話しかけた

「 エイリアン退治ィ? 本当に来たの?
いやあ助かるやァ、夏場は夏季色だってのにさ
あれの所為で客が全然入らなくて参ってたのよ 」

「 あのぉ、ひょっとして 」
「 エイリアンに懸賞金掛けたのって… 」


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作者名:こなた | 作成日時:2017年6月20日 10時

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