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A side.
愛しい声が聞こえてきて、振り返れば、見たことない表情のこうちゃんが。
「 …じゃ、俺帰るわ 」
『 ……う、うん。ありがとう 」
彼に軽く手を振ってお別れしたあと、こうちゃん、と呼んだ。
『 ……さ、寒いから、家入ろ？ 』
「 ……うん、 」
家に入り、リビングにあるソファーに座る。
私の横に座った彼は、未だに無言をつらぬいている。
『 …こうちゃ 』
「 ……さっきの人、誰？ 」
やっぱりそこか。
まさかさっきの告白も聞かれてた？
『 …ただの幼なじみ、 』
「 …友だちに祝ってもらうって言ってたじゃん、 」
『 ……彼も、友だちの一部だよ？ 』
「 …少なくとも、あの人は友達だなんて、思ってないと思うけど 」
『 ……友だち、だもん 』
「 …告白、されてたのに？ 」
聞かれていた。
体育座りをして、膝に顔を埋めたこうちゃんが、ちらりとこっちを向いた。
『 …こうちゃん、ごめんね。さっきのことも、誕生日の話も 』
「 ……誕生日のことは俺が悪いからいい。けど、Aが男と一緒にいて、しかも告白されてて、俺気が気じゃなかった 」
顔を上げたこうちゃんのほっぺたは、プクっと膨れあがってて。
ああ、可愛いこうちゃんが戻ってきた。
私の横に、戻ってきたんだって。
思わず笑みがこぼれる。
「 …もお、笑わないでよ、 」
『 だって (笑) 』
「 ……せっかくプレゼントあげようと思ったのに、 」
ぼそっと吐かれたその言葉に、1年も前に約束した指輪が脳裏をちらつく。
……忘れてるよね、さすがに。
体育座りをやめ、ソファーから降りたこうちゃんは、雑に物が入った鞄の中を物色し始めた。
出てきたのは、小さな青い箱。
『 こうちゃん、それって… 』
「 …俺さ、今の仕事が楽しくて仕方なくて、Aとの時間を疎かにしてた。ほんとにごめん 」
『 …… 』
「 …誕生日忘れたり、遅刻したり、喧嘩したり、これからもあるかもしれないけど、俺はAと一緒にいたい。手紙にあんなこと書いたけど、ね？ 」
いつも、かっこつけたりしないのに。
きっと、恥ずかしいはずなのに。
「 …大学卒業してからだけど、俺と結婚して下さい 」
その瞬間に、涙が零れた。
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もちもちこねこ(プロフ) - fkrさんのお話をもっと読みたいです！ (2020年7月8日 14時) (
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作者名：ドルフィン | 作成日時：2020年2月18日 18時
