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wtnb side.
福良さんに言われ、携帯の電源を付けると、山本さん以外にもたくさん溜まった通知。
1番上には山本さん。2番目には俺の友だち。
3番目は…… " A " だった。
" 私の家で待ってるね! "
" 今日、お仕事長引きそう? "
" おーい、連絡ぐらいしてよー "
" こうちゃん、忘れてないよね? "
俺の変化を感じとった伊沢さんと福良さんに背中を押されて、オフィスを飛び出した。
Aの家に着いて、インターホンを鳴らすけど、一向に出てこない。
家に居ない?
そういえば……。
『 私今日友達に誕生日祝ってもらうから一緒にいれない 』
今は午後3時半。
…ほんとに出かけたんだな。
「 …遅かったなぁ 」
もう一度押しかけたインターホンから、手を離した。
……Aは今、どんな気持ちでいるんだろうか。
もう俺のことなんて、どうでもいいのかな。
きっとAのことだから、嫌なことなんてすぐに忘れるんだろうな。
「 ……Aに会いたいな、 」
やっと1ヵ月ぶりに会えたのに、状況は最悪で、俺の顔も見てくれなかった。
今更後悔したって遅いことくらい、分かってる。
青い箱に入った指輪を眺めては、嬉しそうに笑うAの顔が浮かんでくる。
あの日、誕生日を忘れていなければ。
携帯の電源を付けていれば。
__ 何かが変わっていただろうか。
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もちもちこねこ(プロフ) - fkrさんのお話をもっと読みたいです! (2020年7月8日 14時) (レス) id: 1da52e5d4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ドルフィン | 作成日時:2020年2月18日 18時