SS メランコリーな夫の秘策 kwkm ページ35
kwkm side.
「 まま、だいちゅきー! 」
『 はあ、かわいい私の娘♡ 』
「 …… 」
結婚して、娘が生まれてから、つきっきりで全然かまってもらえない。
最近は特に扱いが雑で、あれ取って、これやってって、完全にパシリ状態。
悲しい。
そんな俺の気も知らない奥さん、Aは、娘と戯れている。
日々子どもと向き合って、寝る間も惜しんで子育てに奮闘するAには、頭が上がらないが、今日こそは。
今日こそは、相手にしてもらうからな。
『 ふぅ… 』
「 …寝た? 」
『 うん、やっとね 笑 』
娘を寝かせて、もうヘトヘトのAは、今から、プライベート時間。
今日はその時間、たっぷり使って、俺を可愛がってもらうよ。
「 …ねえ、A 」
『 なーに拓朗 』
「 …ん 」
『 …ええ? どうしたの急に 』
必死で、抱きつこうと両手を広げてもなんなくかわされる。
相変わらず俺の奥さんは手強い。
「 …分かってるくせに、どうして避けるんだよ 」
『 んー、どうしてだろう? 』
「 こら、はぐらかすな。こっちは寂しい思いしてんのに 」
『 今日は折れないんですね、旦那さん 』
「 もう、俺の反応見て楽しんでるだろ 」
『 ええ〜…ってちょっとっ 』
完全に楽しんでやがる。
苛立ちと、日々の我慢が限界に達した時。
俺は、彼女をソファーに押し倒した。
『 …かまってちゃんだね、拓朗は 』
「 ……うるさい口は塞いでやる 」
息をつく暇もないくらい、貪るキスは、脳内を直接溶かしていく。
少し空いた口に舌をねじ込めば、彼女から甘い声が漏れる。
『 たくろ…っ 』
「 …もう、我慢の限界なんだけど 」
『 ん、すき、だよ 』
「 俺も、好き。だからほっとかないで 」
『 …ふふ、かわいい拓朗 』
「 そんなこと言ってられるのも、今だけだからね 」
とろとろになっても、俺を遊ぶAには、ちょっとムカつくけど。
すべては、心から愛しているんだっていう口実にしておこう。
そんな俺の憂鬱さも吹き飛んでしまったのは、まだ肌寒い春のこと。
__ 2人目の妊娠が発覚するまであと〇日。
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もちもちこねこ(プロフ) - fkrさんのお話をもっと読みたいです! (2020年7月8日 14時) (レス) id: 1da52e5d4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ドルフィン | 作成日時:2020年2月18日 18時