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#5 ページ34

A side.


「 …大丈夫? 」



前と同じ状況。


私の隣には、大好きな人が座っている。


無言の圧力とは、怖いものだ。


今の状況で話しかけるなんてこと、弱くて、素直になれない私には、到底無理な事だった。


手を伸ばせば、すぐ届く位置にいる須貝さんは、私の気持ちを察したのか、ソファーなら立ち上がり、私の前にしゃがんだ。



「 ……手、ぎゅって握ってもいい? 」



驚きと同時に、胸がトクンと高鳴った。


首を縦に振ると、須貝さんは、優しく私の手を包み込んだ。



「 …Aちゃんは、俺のことが嫌いなんだって思ってた 」


『 そんなこと…っ 』


「 うん、分かってるよ。…俺、あの時まだ気づいてなかったんだ 」


『 ……? 』


「 可愛がってしまうのも、お菓子あげてついつい甘やかしてしまうのも、全部全部、後輩だからじゃない 」



しっかりと須貝さんを見ると、その表情はいつもよりも真剣で、真っ直ぐだった。


ゴクリと、喉の奥がなりそうになる。


やだ、言わないで。


好きじゃないなんて聞きたくない。


須貝さんから、返ってきたのは予想外の言葉だった。



「 ……Aが好きなんだ 」


『 うそ… 』


「 嘘じゃない。Aが好きでたまらないんだよ 」


『 …ホントに言ってるんですか、? 』


「 信じてくれるまで、なんだってする。デートでもハグでもキスでも、Aちゃんが俺のことを好きならなんでも 」



今度は、柔らかく笑った。


ああ、私が大好きな笑顔がまた見れた。



『 ……言いましたからね。責任とってくださいよ 』


「 …うん。俺、ずっとAちゃんの隣にいる自信ある 」


『…… 私も、須貝さんが好きです 』


「 知ってるよ、Aちゃん 」



まったく、人騒がせな人たちだ。って私も思う。


本当はずっと前から両想いだったのに、拗らせまくった結果がこれだもの。


私を抱き寄せて、彼は幸せたっぷりのため息をついた。



「 …A、俺のことが大好きーって顔してる 」


『 …須貝さんも、私のことが大好きって顔してますよ 』


「 ふふ、大正解 」


あと、呼び捨てかちゃん付けかどっちかにしてよ、とも思う。


そこら辺は、大目に見よう。


甘々な彼氏と素直じゃない彼女ならきっと。


スイートで魅力的な毎日が、これからを彩るんだろうな。



. 長くてごめんなさい。

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もちもちこねこ(プロフ) - fkrさんのお話をもっと読みたいです! (2020年7月8日 14時) (レス) id: 1da52e5d4f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ドルフィン | 作成日時:2020年2月18日 18時

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