検索窓
今日:18 hit、昨日:0 hit、合計:48,220 hit

#2 ページ28

ymmt side.


そのあとも、しょうもない世間話を続けて、なおも笑い続ける彼女に疑問抱く。


無理してるの、ばればれだよ。


それに、Aちゃんは嘘つきだ。


毎日僕に向かって、嬉しそうに彼氏の話してきたくせに。


……僕は、いい気はしなかったけど。


ちらちら横を確認しながら、お酒を喉に通す。


ついに、ため息をつき始めたAちゃんは、お酒の入ったコップをテーブルに置いて、俯いた。



__ 何も出来ない僕は、無念だ。



『 …山本くん、今から話すこと、友達の話だと思って聞いてほしい 』


「 ……? 」


『 …私たちと同じような関係の男女でね。しかもその女の子には彼氏がいて、毎日のように彼氏の話をしてて 』


「 ……うん 」



明らかに僕たちのことだが、彼女はあくまで「 友達の話 」らしい。


僕もなんとかそう思いながら、話を聞いていると、耳を疑う発言を聞いた。



『 その子の幼なじみは、いつも不満そうに私を見つめるの。本人は気づいてないだろうけど… 』


「 ……… 」


『 ……それに、いつも私のことが大好きって顔してるんだって。自意識過剰かもしれないからって、直接言ったことは無いらしいけどね 』


「 ……えっ 」



……嘘でしょ、Aちゃん。


気づいてたなんて、どうして今さら……。


僕の目には、うっすら涙を浮かべたAちゃんが映ってる。


清らかで。それでいて魅惑的な。


僕を試すかのような、手つきで頬を撫でる。



「 ……Aちゃん、 」


『 …ごめんね、気づいてた 』


「 そう、だったんだね… 」


『 …ずっと、無理させてたねわたし 』


「 ……ううん、僕も言えばよかった。でも、この関係が壊れてしまうのが、怖かったんだ 」


『 …うん 』



この関係から、進むことはないかもしれない。


僕を、意識してくれるだけでもいいから。



『 ……山本くんのこと、好きになりたい 』


「 …本気なら、僕が絶対に好きにさせるよ 」



そう言って、初めて握った手は、やけに暖かかったのを覚えている。


君に少しは期待しても、いいかな。



___ キスをするまで、あと250日。



.

SS トワイライト終着点 izw→←シャーデンフロイデの僕は ymmt



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (36 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
153人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

もちもちこねこ(プロフ) - fkrさんのお話をもっと読みたいです! (2020年7月8日 14時) (レス) id: 1da52e5d4f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ドルフィン | 作成日時:2020年2月18日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。