#3 ページ24
wtnb side.
なんでそんなに、悲しそうに俯くのか。
俺にはまるで分からなかった。
「 Aちゃん…… 」
『 …こうちゃんさんは、私のこと好きですか? 』
「 …当たり前じゃん。だからこうやって一緒にいるの 」
『 ならどうしてですか…? 』
「 …どうしてって、どうゆうこと? 」
遠慮がちにこっちを向いたと思ったら、勢いよく俺に抱きついてきた。
反動で、そのままソファーに倒れ込む。
「 ちょ、Aちゃん、どうしたの… 」
『 …こうちゃんさんは、こうしたいって思わないですか? 』
「 …え 」
予想しなかった展開に、頭が追いつかない。
ぎゅっと抱きしめる手を緩めない、Aちゃんの頭を撫でる。
ぴくっと肩を動かしたが、全く動かない。
抱きつかれて、嬉しすぎて昇天してしまいそうなのに、ずっとこのままじゃ、心臓がもたない。
「 Aちゃん、一旦離れようか… 」
『 ……いやです 』
さらにぎゅっと抱きしめられるので、もういっそこのまま寝ちゃおうかと思った時。
『 …いちゃいちゃ、したいの 』
「 …へ? 」
思わず間抜けな声が出てしまった。
やっと、手を緩めて離してくれた彼女は、むすっとしてて。
「 で、でも、そういうの嫌なのかと思って… 」
『 好きな人とそういうことして、嫌な女性いますか? 』
……まあ、たしかに。
ド正論をかまされて、ぐうの音も出ない。
悩み抜いた、俺はなんだったんだよ。
『 …わたしは、こうちゃんさんとたくさんいちゃいちゃしたいです。もう我慢しなくていいですよ 』
彼女は、見た目とは裏腹にしっかりとした女性だった。
須貝さんが言ってた、覚悟とやらがわかった気がする。
今度は、俺から抱きしめて。
触れるだけのキスが、深いキスに変わって。
2人きりのリビングに響くリップ音に興奮する。
「 …Aちゃん 」
『 …んっ 』
「 ……抱いてもいい? 」
今さら確認するとか、臆病かよ。
今日の夜は、長くなりそうだ。
うちのシンデレラは、12時になっても変身しないからさ。
「 …さあて、どうしてほしい? 」
今だけは、いじわるな王子でいさせて。
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もちもちこねこ(プロフ) - fkrさんのお話をもっと読みたいです! (2020年7月8日 14時) (レス) id: 1da52e5d4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ドルフィン | 作成日時:2020年2月18日 18時