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#2 ページ23

wtnb side.


『 お邪魔しまーす! 』


彼女の荷物を持って、寝室に置く。


もう何度もこの家に来ているから、Aちゃんは、ソファーに座って伸びをしている。



「 ご飯食べたし、お風呂沸かすから入ってきな 」


『 …あ、うん! 』



着替えを持って、脱衣所に入る後ろ姿を見て、誰もいなくなったリビングに緊張する。


ソファーに倒れ込むと、白い天井が見える。


…神様、俺は次のステップに進めるでしょうか。


止められなくなって、彼女を怖がらせたら、その時は俺に、天罰を与えてください。


ぎゅっと目を瞑ると、眠気が襲ってきて。


眠ってしまいそうだった時、脱衣所からAちゃんの声が聞こえた。



『 こうちゃんさん、上がりました〜! 』


「 …おかえり 」



彼女の風呂上がりは毎度緊張する。


ちょっと火照った頬に、ゴクリと唾を飲んだ。



「 お、俺も、風呂入ってくるわ 」



彼女と入れ替わりで入った風呂の間も、ずっと先にするべきことを考えた。


風呂から上がると、彼女はテレビをつけて、ソファーに座っていた。



『 あ、こうちゃんさん、おかえりなさい 』


「 …うん、ただいま 」



俺もまた、彼女の横に座る。


ちらっと横を見ると、楽しそうにテレビを見るAがいて。


それだけでも、この上ない幸せだ。


気づけば、ずっと横顔を見つめていたようで。



『 ……こうちゃんさん? どうかしました? 』


「 あ… 、ごめん、なんか 」


『 …どうして謝るんですか? 』


「 いや、なんでもないよ… 」



挙動不審すぎる俺に、勘づかれただろうか。


彼女は、俺の名前を呼んだ。



『 …こうちゃんさん 』


「 ど、どうしたの? 」


『 ……私って、魅力が欠けてますかね 』


「 え、そんなことないよ! 」



何を聞いてくるのかと思った。


君の瞳の奥は、何かを訴えているようで。


彼女が何を考えてるのか、さらに分からなくなった。



#3→←アシェンプテルよ、 wtnb



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もちもちこねこ(プロフ) - fkrさんのお話をもっと読みたいです! (2020年7月8日 14時) (レス) id: 1da52e5d4f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ドルフィン | 作成日時:2020年2月18日 18時

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