SS アークエンジェルの目覚め ymmt ページ19
A side.
カーテンからの指す太陽光に目が覚める。
デジタル式の時計の針は、11時を指していた。
今日は休みだからといって、深く眠りすぎた。
横を向くと、今も規則正しい寝息を立てて眠っている、大天使がいる。
サラサラな髪、キレイな横顔、骨格までがイケメンの祥彰くんとは、最近同棲し始めたばかり。
いつも夜遅くに帰ってくる彼を、毎晩癒すのが私の役目。
ほっぺたを撫でても、びくともしない祥彰くんは、まだまだ起きそうにない。
だいぶ遅いおはようだが、ご飯を作らなくては。
__ ご飯を作り始めて、しばらく経った時。
寝室の扉が音を開いた、その先には目を擦った祥彰くんがいた。
『 おはよう、祥彰くん。ご飯食べるでしょ? 』
「 …たべる 」
『 ほら、顔洗って待ってて 』
「 うん… 」
寝起きの舌足らずの喋り方が好きでたまらない。
素直に洗面所に向かう祥彰くんを、横目に見ながら準備をしていると、すぐに戻ってきた祥彰くんが私の横に来た。
『 祥彰くん、危ないからあっちで待ってて 』
「 …やだ 」
『 やだじゃなくて、すぐ終わるから…っ 』
私の背後に回ったと思ったら、突然後ろから抱きしめられる。
身長は同じぐらいだから、祥彰くんの顔がちょうど私の肩に届く。
今日は、やけに甘えん坊だ。
『 ど、どうしたの、祥彰くん 』
「 ……起きたら、Aちゃんがいなかったから 」
『 え、 』
ぎゅうっと効果音がつきそうなくらい、強く抱きしめられて、正直痛い。
それすらも愛おしく感じる私は、おかしいだろうか。
「 …Aちゃんがいなくなったら、僕寂しくて死んじゃう 」
『 ……私はいなくならないよ、祥彰くん。祥彰くんのこと、大好きだから 』
「 …ほんとに? 」
『 …ほんとだよ 』
うぬぅって声を上げて、私の背中に額をグリグリ押し当ててくる。
『 ほら、ご飯食べよ? 』
「 たべる、けどその前に… 」
強引に触れるだけのキス。
「 Aちゃんを、食べたいなーなんて 」
『 …もお、ほら食べて! 』
半ば強引に食を押し付けたけど。
美味しそうに頬張ってくれる祥彰くんをこれからも愛でていきたい。
「 ね、今日はなにするの? 」
『 んー、家でゴロゴロしたいかな 』
「 Aちゃんがそうしたいなら、喜んで 」
アークエンジェルは、今日も幸せそうに微笑む。
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もちもちこねこ(プロフ) - fkrさんのお話をもっと読みたいです! (2020年7月8日 14時) (レス) id: 1da52e5d4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ドルフィン | 作成日時:2020年2月18日 18時