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#2 ページ13

Izw side.


「 少し、落ち着いた? 」



彼女は、ブラックが飲めない。


ブラックに多めの砂糖を入れて、目の前のテーブルに置いた。



『 ……うん、ありがと 』



両手で持って、フーフーしながら口に運ぶ、一連の仕草を見つめながら、考える。


あれは完全に、暴走しかけた俺のせいだ。


何が俺にすればいいのに、だ。


自分の理性も抑えられない人間が、彼女に何が出来るのか。


考えても考えても、答えには辿り着かなかった。



『 ねえ、拓司 』


「 …ん? 」


『 もしこのまま、私が別れなかったら、拓司はどうするの…? 』


「 ……ずっと、好きでい続けるよ 」


『 …そっか 』



その先の言葉を言わなかったのは、優しい彼女なりの気遣いなのかもしれない。



どう足掻いたって、願ったって、俺の隣にいるはずないのに。


それでも君を求めてしまう俺は、可笑しいだろうか。


ぎゅっと、膝の腕で握り締めた手を、包み込む。


ぴくっと動いた肩に、反射で離してしまった。



「 …ごめん、俺また 」


『 違うの、嫌なわけじゃない。ただ…… 』



" これで、拓司が悲しむなら、私も悲しい "



俺の手を握り返した、小さな手が。


今度は、俺の頬を伝っていく。



『 …拓司、一緒に溺れよう 』


「 ……え、 」


『 …拓司が喜ぶなら、私を利用して。気が済むまで好きにして? 』


「 そんなことできるわけ…っ 」



触れた頬を引き寄せた、小さな手が首に回る。


優しい、優しいキスだった。



「 A……っ 」


『 …拓司と一緒なら、怖くないよ 』


「 ……A、本気で言ってるの? そんなことしたら、後には戻れなくなるって、わかってるの? 」


『 ……満月の夜なら、きっと私たちを許してくれるよ 』



彼女と犯した深いキス。


それは唇に、刻まれるように求めあった。



「 ……Aっ、 好きだ、っ 」


『 …私もっ、拓司が好きっ 』



夜もすがら。


俺たちは交わり、共に溺れていく。



.

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もちもちこねこ(プロフ) - fkrさんのお話をもっと読みたいです! (2020年7月8日 14時) (レス) id: 1da52e5d4f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ドルフィン | 作成日時:2020年2月18日 18時

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