Baby’s breath.番外編 ページ10
izw side.
君は幼い頃から美しかった。
春の桜を見る横顔も、夏の海で燥ぐ姿も、
秋の金木犀の髪飾りも、冬の白い息も。
…きっと誰も触れたことのない首筋も。
身も心も純潔な彼女に浮ついた気持ちで
近づく男が沢山いた。
その度に幼なじみの俺が追い払って、
君は「ありがとう」と笑った。
俺は何度その白い腕に触れたいと思ったか。
『ねーねー、拓司くん。』
何も知らない君は今日も俺の名前を呼ぶ。
「…どした?」
藍色のマフラーに顔の半分を埋めて、
か細い声で喋りはじめた。
『…わたし今までその、彼氏?出来たこと
ないじゃん?』
「んー、そうだね、」
『…告白は何度も受けたことあるけど、
どれも断ってきた。』
「…そうだね」
『……なんでだと思う?』
……なんで?
そんなこと考えたことなかったな。
ただただ好みの人じゃなかったから?
それとも、、
『……ずっと好きな人がいたの、』
「…そう、だったの」
『うん、』
そういえば君の口から、恋愛の話なんて
聞いたことなかった。
いや、聞けなかっただけだ。
聞くのが怖かった、ただそれだけ。
『……好きなの、拓司くんのことが、っ』
頬を紅に染めて俯きながら話す。
その姿もなお、悔しいくらい美しかった。
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ラキ(プロフ) - 本人の目に止まらないように、本人以外はymmtのように表記した方が良いと思います。作品はとても面白かったです。 (2020年6月12日 23時) (レス) id: 57e82cbdf4 (このIDを非表示/違反報告)
み く(プロフ) - おーちゃんさん» 直しました! (2019年11月18日 8時) (レス) id: a43638a5bb (このIDを非表示/違反報告)
おーちゃん - なんか拓朗と拓郎がありましたよ(番外編)拓朗にすべてした方が良くないでしょうか? (2019年11月18日 7時) (レス) id: 23068de1a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ドルフィン | 作成日時:2019年8月14日 18時