Tulip,Yellow. ページ9
*
休日の肌寒い昼下がり。
綺麗だった紅葉は、あっという間に
落ち葉になってコンクリートを彩っていた。
そんな紅葉のように頬を真っ赤に染めた
幼なじみのAが僕の家の扉をくぐった。
「どうしたの？」
『…今日は祥彰にね、どうしても言わなくちゃ
いけないことがあるの』
「……言わなきゃいけないこと、？」
暖かそうなコートもマフラーも外さずに
ソファーにちょこんと座ったA。
……彼氏がいる君が、そんな不安そうな表情を
浮かべてやって来るのだから。
「…A？ 早く言いなよ、」
『……あのね、どうしても一番最初に祥彰に
伝えたかったことがあるの』
「うん」
……少しばかり期待している自分が憎い。
あんな男よりも僕のそばにいてほしいのが本心だ。
きっとまた「別れた」と言って僕の元に
戻ってくるんだと。
そう思ってた自分を叱ってやるべきだった。
『……結婚、するの』
今までの人生の中で一番聞きたくなかった
言葉かもしれない。
彼女の口からその言葉を聞いてしまった昼下がり。
誰にもぶつけられなかった僕の想いは、
桜のように一瞬で、儚く散った。
今の僕が精一杯彼女に言えることは
たったひとつだけ。この言葉だけ。
「………結婚、おめでとう」
Tulip,Yellow.:
「hopeless love(望みのない恋), unrequited love(報われぬ恋)」
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ラキ(プロフ) - 本人の目に止まらないように、本人以外はymmtのように表記した方が良いと思います。作品はとても面白かったです。 (2020年6月12日 23時) (
レス) id: 57e82cbdf4 (このIDを非表示/違反報告)
み く(プロフ) - おーちゃんさん» 直しました！ (2019年11月18日 8時) (レス) id: a43638a5bb (このIDを非表示/違反報告)
おーちゃん - なんか拓朗と拓郎がありましたよ(番外編)拓朗にすべてした方が良くないでしょうか？ (2019年11月18日 7時) (レス) id: 23068de1a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ドルフィン | 作成日時：2019年8月14日 18時
