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川上「なんの話し?」




入ってきたのはまさかの拓郎くんで。




この状況をどうしようかと、二人に助けを
求めようとしたら、コソコソと撮影部屋から
出ていってしまった。さあ、どうする。




不思議そうな顔をした拓郎くんは、
机にコンビニの袋を置いて、私の隣に座った。




川上「来てたんなら、連絡ぐらいしてよ。」



「ご、ごめん…」



川上「…それで?俺に話あるんやろ?」



「え、えっと、それは…」




拓朗くんが好きって言ってくれないって
普通に言えたらいいんだけども、
それはそれは難しくて。私には到底無理。




なかなか言ってくれない私に痺れを切らしたのか、
拓朗くんが、私の手を握って話し始めた。




川上「…どうせ、寂しいとかでしょ?」



「……な、なんで分かったの、」



川上「…ん、そんな気がしたから。」




この人もこの人で勘が鋭いから、嘘はつけない。
……今日だけでも、素直になろう。




「……拓朗くんは、私のこと好き?」



川上「…なんで?」



「…そうやっていつも言ってくれないから。」




涙が零れそうになるのを抑えて、
握ぎられた手を握り返した。




「……ほんとに私のこと好きなの?」




この一言で涙が零れた私に、驚いていたけど、
その目は途端に悲しそうに光を宿した。




川上「…ごめん、、泣かないでよ。」




涙が零れたあとを、そっと親指で拭って、
私の手を引いて強く抱き締めた。




川上「……好き、だよ。Aのこと
めちゃくちゃ大好きやねん。でも俺恥ずかしくて、
口に出して言えんかった。」




「……私も拓朗くんのこと、大好きっ、」




拓朗くん、いつもクールだけど、本当は
ただの恥ずかしがり屋さんだったなんて、
誰も予想しなかった展開だろう。



ほら、今も耳まで真っ赤っか。




抱きしめてた腕を解いて、私にキスをした
拓朗くんの唇は、少しだけ震えてて。



久しぶりのキスは甘くて、
とろけてしまいそうだった。




川上「ん、やっぱ恥ずい……」



「ふふ、拓朗くん可愛い。」



川上「Aの方が可愛いもん……」



「あ、また顔真っ赤(笑)」



川上「…うるさい。」




これはまたしばらく彼の口から、
「好き」という言葉は聞けそうにないな。




それでもいい。私はいつもあなたから
無言の愛情を貰ってるから。




Evening primrose:

「mute devotion(無言の愛情)」




以上番外編でした(っ ॑꒳ ॑c)

Linden.→←Evening primrose.番外編



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ラキ(プロフ) - 本人の目に止まらないように、本人以外はymmtのように表記した方が良いと思います。作品はとても面白かったです。 (2020年6月12日 23時) (レス) id: 57e82cbdf4 (このIDを非表示/違反報告)
み く(プロフ) - おーちゃんさん» 直しました! (2019年11月18日 8時) (レス) id: a43638a5bb (このIDを非表示/違反報告)
おーちゃん - なんか拓朗と拓郎がありましたよ(番外編)拓朗にすべてした方が良くないでしょうか? (2019年11月18日 7時) (レス) id: 23068de1a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ドルフィン | 作成日時:2019年8月14日 18時

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